推理算⑥ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年出題された推理算の第6弾です。

 

  円卓の席順あて(頌栄女子2023)

 

6人がけの円卓に、Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさん、Fさんの6人が座っていました。途中で席をかえて、はじめにとなりに座っていた人のとなりにならないよう図1のように座りました。以下の条件からはじめの座り方を考え、解答らんにA〜Fをかきなさい。

・Aさんは座っていた席から左ななめ前に見える席の1つに座った。
・BさんとCさんは1つとなりにずれた。
・はじめ、DさんとAさんはとなりではなかった。

 

右矢印はじめ、DさんとAさんはとなりではなかった」ことから

  • Aに注目すると(いまBとFのとなりなので)はじめはD、B、Fのとなりではなかった→はじめにAのとなりだったのはCとE
  • Dに注目すると(いまCとEのとなりなので)はじめはA、C、Eのとなりではなかった→はじめにDのとなりだったのはBとF
ここまでを図にすると(とりあえずAの位置を一番上にして書くと)次の4パターンが考えられる。

だがBとCはいまとなりどうしなので①と④は消え、残る可能性は②か③のどちらか

また「BさんとCさんは1つとなりにずれた」結果いまとなりどうしになっているが、図1の並びと②③を見くらべてこれができるのは

  • ②でBがDの場所に、CがFの場所に動いたとき…②’
  • ③でBがEの場所に、CがAの場所に動いたとき…③’

のどちらか。しかし「Aさんは座っていた席から左ななめ前に見える席の1つに座った」ことから条件に合うのは②’だけ(③’だとAは右ななめ前に動くことになる)

よってはじめの座り方は②を120°左に回転させた次の形

 

 

  得意科目と苦手科目あて(関西大倉2023B)

 

A、B、C、D、Eの5人はそれぞれ国語、社会、算数、理科、英語のどれか1つの教科が得意で、どれか1つの教科が苦手です。5人の得意な教科はすべて異なり、また、5人の苦手な教科もすべて異なります。昨日、テストに向けて5人で勉強会を開き、それぞれの得意な教科をその教科を苦手とする人に教えました。5人の会話を読んで、以下の問いに答えなさい。
A「私は社会が得意で、英語が苦手です」
B「私は算数が得意でも苦手でもないよ」
C「私はBに教えてあげたんだ。あと、私は算数は苦手ではないよ」
D「私はBには教わってないね」
E「私は理科を教えてあげたんだ」

⑴ 算数が得意な人は誰ですか。
⑵ Cが得意な教科は何ですか。
⑶ Eが苦手な教科は何ですか。
⑷ Aが勉強を教えた相手として可能性がある人をすべて答えなさい。

 

右矢印 得意科目と苦手科目の表をそれぞれ作り、簡単に決まるところからうめていく(その結果、可能性が消えたマスはグレーで表記)

  • A発言「私は社会が得意で、英語が苦手」より①と❶が決まる。
  • B発言「私は算数が得意でも苦手でもない」よりアが決まる。
  • C発言「私は算数が苦手ではない」よりイが決まる。
  • E発言「私は理科を教えてあげた」より②が決まる。

ここでC発言「私はBに教えてあげた」に注目するとCがBに教えてあげられる科目(=Cが得意でBが苦手な科目)はこの時点で国語だけ。そこで次のように③と❷が決まる。

とすると得意科目が算数という可能性のある人はこの時点でDだけだから次のように得意科目がすべて決まる。

また苦手科目が算数という可能性のある人はこの時点でEだけだから苦手科目の表で❸も決まる。

なおD発言「私はBには教わってない」を使ってもこれ以上は決まらない。

 

よってこの表に照らすと小問ごとの答えは次の通り。

⑴ 算数が得意な人はD
⑵ Cが得意な教科は国語
⑶ Eが苦手な教科は算数
⑷ Aが勉強を教えた相手として可能性がある人はCとD 

完了