食塩水2023⑫ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

今年出題された食塩水の問題の第12弾になります。

 

  濃度の意味(香蘭2023)

 

食塩と水の割合がそれぞれ1:14である食塩水▢gと、5:18である食塩水575gを混ぜると、食塩と水の割合が1:4である食塩水ができました。

 

右矢印 いつもならパーセントであらわす濃度を分数であらわすと「食塩と水の割合がそれぞれ1:14である食塩水」の濃度は¹⁄₁₅、「5:18である食塩水575g」の濃度は⁵⁄₂₃。

これらを混ぜてできた「食塩と水の割合が1:4である食塩水」の濃度は⅕。

これで天びん図を書くとうでの長さの比は ²⁄₁₅:²⁄₁₁₅=115:15=23:3 とわかる。

よって ▢=575×3÷23= 75g

 

 

  食塩の重さを同じにする(八雲学園2023)

 

Aの容器には8%の食塩水が600g、Bの容器には20%の食塩水が200g入っています。A、Bに含まれる食塩の重さが同じになるにはAからBに何gの食塩水を移せばよいですか。

 

右矢印8%の食塩水が600g」入った容器Aには 600×0.08=48gの食塩が、「20%の食塩水が200g」入った容器Bには 200×0.2=40g の食塩が入っている。

とすると「A、Bに含まれる食塩の重さが同じになる」ときの食塩の重さは (48+40)÷2=44g だから 48-44=4gの食塩をAからBに移せばよい

 

よっていまAに入っている食塩水は濃度8%だから 4÷0.08=50g の食塩水を移せばよい

 

 

  食塩水の入れかえ①(渋谷教育学園渋谷2023)

 

容器Aには8%の食塩水が200g、容器Bには300gの食塩水が入っています。A、Bから、それぞれ同じ量の食塩水を取り出し、互いに入れかえてよく混ぜあわせると、どちらも6.8%の食塩水になりました。それぞれから取り出した食塩水は何gずつですか。

 

右矢印 いわゆる等量交換の問題なので(問題文にある濃度は完全無視して)入れかえた量は「和分の積」より

 200×300÷(200+300)=120g

 

 

  食塩水の入れかえ②(関西学院中2023)

 

はじめに、容器Aに[ア]%、容器Bに[イ]%の食塩水がそれぞれ500gずつ入っていました。容器Aから200gの食塩水を取り出し、容器Bに加えると、容器Bに入っている食塩水の濃度は7.5%になりました。その後、容器Bから100gの食塩水を取り出し、容器Aに加えると、容器Aに入っている食塩水の濃度は6%になりました。

 

右矢印 うしろから考えると「容器Bから100gの食塩水を取り出し、容器Aに加えると、容器Aに入っている食塩水の濃度は6%に」なった。このとき容器Aのなかの様子を天びん図にすると(容器Aから取り出したのを食塩水A、容器Bから取り出したのを食塩水Bとすると)

  • 食塩水A…はじめに500g入っていた食塩水から「200gの食塩水を取り出し」たあとだから重さは 500-200=300g で濃度は[ア]%
  • 食塩水B…重さは100gで「容器Bに入っている食塩水の濃度は7.5%

 

より ▢=1.5×100÷300=0.5 だから容器Aの濃度 アは5.5%(=6-0.5)とわかる

 

最初にもどって「容器Aから200gの食塩水を取り出し、容器Bに加えると、容器Bに入っている食塩水の濃度は7.5%に」なった。このとき容器Bのなかの様子を天びん図にすると

  • 食塩水A…重さは200gで濃度は5.5%
  • 食塩水B…重さは500gで濃度は[イ]%

より ▢=2×200÷500=0.8 だから容器Bの濃度イは8.3%(=7.5+0.8)完了