食塩水2023⑬ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

今年出題された食塩水の問題の第13弾になります。

 

  食塩水の一部を移す(共立2023)

 

20%の食塩水300gが入った容器Aと、15%の食塩水200gが入った容器Bがあります。Aから何gかをBに移したところ、A、Bに含まれる食塩の量の比が5:4になりました。このとき、容器Bの食塩水の濃度は何%になりましたか。

 

右矢印はじめに A、Bに入っていた食塩の量に注目すると、Aには食塩60g(=300×0.2)が、Bには食塩30g(=200×0.15)が入っていた。あわせて90g

 

移したあと「A、Bに含まれる食塩の量の比が5:4に」なったということはBに含まれる食塩の量が40gになった(90÷9×4=40)ということ。これはAから食塩10gが移ってきたということなので「20%の食塩水」であるAから食塩水50gが移ってきた(10÷0.2=50)こととなる。

 

よっていま容器Bには

 食塩…30+10=40g

 食塩水…200+50=250g

が入っているから 40÷250=0.16より濃度 16% になった

 

 

  加比の理(洗足学園2023)

 

10%の食塩水1.8kgを運んでいたところ、このうちの5%をこぼしてしまったため同じ重さの水を加えました。ここに食塩を加えてはじめの濃度と同じにしたいとき、何gの食塩を加えればよいですか。

 

右矢印 加えた水の重さはこぼした水の重さと同じだから 1.8kg×5%=0.09kg=90g

こぼれた食塩水も残った食塩水も濃度10%だから、あとから加えた90gの水も同じ濃度10%の食塩水にすることで全体は濃度10%のままとなる。

 

そこで水90gで水の濃度90%の食塩水をつくると考えて

 90÷0.9=100g

より重さ100gの食塩水になるように食塩を加えることとなる。

よって加える食塩の量は 100-90=10g

 

 

  比で混ぜる(関東学院中2023・二期)

 

10%の食塩水と水が7:3の割合で、650mL入る容器の⅗のところまで入っています。さらに10%の食塩水と水を1:9の割合で混ぜたものを容器いっぱいになるまで入れると、何%の食塩水になりますか。

 

右矢印 食塩の量に注目すると

  1. はじめに「10%の食塩水と水が7:3の割合で、650mL入る容器の⅗のところまで」入っていた→はじめに入っていた食塩は 650×⅗×⁷⁄₁₀×10%=27.3g
  2. さらに「10%の食塩水と水を1:9の割合で混ぜたものを容器いっぱいになるまで」入れた→あとから加わった食塩は 650×⅖×⅒×10%=2.6g

できあがった食塩水と食塩の量を考えると

  • 食塩…27.3+2.6=29.9g
  • 食塩水…「650mL入る容器」がいっぱいになるまで入れたのでその量は650g

よって 29.9÷650=0.46 より 4.6%

 

 

  操作をくり返したあとの濃度(神奈川学園中2023)

 

容器の中に10%の食塩水が100gあります。この容器から10gの食塩水をぬきとり、代わりに10gの水を入れるという操作をします。この操作を3回くりかえした後の濃度は何%になりますか。

 

右矢印 食塩水の⅒を取り出すとき食塩も同じく⅒が取り出され⁹⁄₁₀の食塩はそのまま残る

とするとこれを3回くりかえすとはじめにあった食塩のうち

 ⁹⁄₁₀×⁹⁄₁₀×⁹⁄₁₀=⁷²⁹⁄₁₀₀₀

がそのまま残る。

 

よってこの操作を3回くり返した後の濃度は

 10%×⁷²⁹⁄₁₀₀₀=7.29%

 

 

  水を蒸発させる(豊島岡2023第3回)

 

濃度が8%の食塩水から、200gの水を蒸発させたところ、濃度が12%になりました。濃度が8%の食塩水は何gありましたか。

 

右矢印濃度が8%の食塩水」の量をgとすると

  • 蒸発させる前の食塩の量…×0.08=
  • 蒸発させた後の食塩の量…(-200)×0.12=⑫-24

水を蒸発させる前後で食塩の量は変わらないから

 ⑧=⑫-24 より ④=24 だから ①=6

よってはじめにあった濃度8%の食塩水600g

 

 

  食塩水の一部交換(中央大学附属2023第2回)

 

容器Aには濃さがわからない食塩水が600g、容器Bには18%の食塩水が入っています。AからBに200g移してよく混ぜたところ、Bの濃度は16%になりました。さらにBからAに200gもどし、Aに水を80g加えて混ぜたところ、Aの濃度は10%になりました。
⑴ 最後に容器Aの食塩水に含まれている食塩は何gですか。

 

右矢印 最後に容器Aに入っている食塩水の重さを考えると

  1. はじめに「容器Aには濃さがわからない食塩水が600g」あった
  2. AからBに200g移し」た
  3. BからAに200gもどし」た…
  4. Aに水を80g加えて混ぜた

という手順なので最後に容器Aに入っている食塩水は

 600-200+200+80=680g

このとき「Aの濃度は10%」だから 680×0.1=68g

 

⑵ はじめに容器Aに入っていた食塩水の濃度は何%ですか。

 

右矢印 最後に容器Aに入っていた食塩68gのうち何gがBから来たものかを考える。

 

の操作でBから移した食塩水は200g。

このとき「Bの濃度は16%」 だったから 200×0.16=32gの食塩がBから来た

 

とするとの直前には(68-32=)36gの食塩がAに入っていた

またこのときAに入っていた食塩水は400gだったから 36÷400=0.09 よりAの濃度は9%だったとわかる。

 

よって(この時点ではAの濃度ははじめと変わっていないので)はじめに容器Aに入っていた食塩水の濃度は 9%

 

⑶ はじめに容器Bの食塩水に含まれていた食塩は何gですか。

 

右矢印AからBに200g移してよく混ぜたところ、Bの濃度は16%に」なった様子を天びん図にすると

よりはじめに容器Bに入っていた食塩水は700g

 

よってここに含まれていた食塩は 700×0.18=126g

 

 

  3つの食塩水(須磨学園2023第2回)

 

濃度の異なる3つの食塩水A, B, Cがあります。食塩水Bを140gと水210gを混ぜると、食塩水Aと同じ濃度になります。食塩水Bを140gと食塩10gを混ぜると、食塩はすべて溶けて、食塩水Cと同じ濃度になります。食塩水Aと食塩水Cを同量混ぜると、食塩水Bと同じ濃度になります。食塩水Bの濃度は▢%です。

 

右矢印食塩水Bを140gと水210gを混ぜると、食塩水Aと同じ濃度に」なる様子を「天びん1」、「食塩水Bを140gと食塩10gを混ぜると、食塩はすべて溶けて、食塩水Cと同じ濃度に」なる様子を「天びん2」として天びん図を書くと次のとおり。

ここに「食塩水Aと食塩水Cを同量混ぜると、食塩水Bと同じ濃度に」なる様子を「天びん3」として書くと、天びん1の右のうでと天びん2の左のうでの長さは同じだということがわかる。

 

そこで3つを1つの天びんにまとめて比合わせすると

 

このとき全体のうでの長さ =100%より =2%

よってBの濃度は + だからBの濃度は 2%×5=10% 完了