以前の記事の続きです。
食塩水を入れまちがえてしまった…という状況の出題例です。
その1(筑波大学附属2023)
食塩が4%ふくまれている食塩水Aと食塩が7%ふくまれている食塩水Bがあります。120gの食塩水Aに食塩水Bを混ぜて、食塩が5.8%ふくまれている食塩水をつくる予定でした。しかし、食塩水Bではなく、食塩水Bと同じ量の水を食塩水Aと混ぜてしまいました。このとき、できた食塩水に食塩は何%ふくまれていますか。
予定では食塩水A(濃度4%)を120gと食塩水B(濃度7%)▢gとを混ぜて5.8%の食塩水をつくるはずだった。
これを天びん図にすると食塩水Bは180gあるのがわかる。
とすると実際にできた食塩水について
- 食塩水Aと「食塩水Bと同じ量の水」180gを混ぜたから食塩水の全体量は 120+180=300g
- ここに入っている食塩の量は食塩水Aに入っていたものと同じだから 120g×4%=4.8g
よってできた食塩水の濃度は
4.8÷300=0.016 より 1.6%
その2(三田学園中2023B)
20%の食塩水を100g作るために、水100gに食塩20gをとかしました。ところが、作った食塩水が20%の食塩水でないことに気づいたので、作った食塩水を少し捨ててから食塩を加えて20%の食塩水を100g作りました。捨てた食塩水は何gですか。
水に注目すると
- 完成した「20%の食塩水」100gのなかには水が80g入っている
- はじめに水は100gあったから(100g → 80gより)水の2割がなくなっている
- これは食塩水全体でみたとき2割を捨てたということ
よって最初にまちがってできた食塩水の量は120gだったから捨てた食塩水はその2割で 120g×0.2=24g
その3(横浜共立2023)
容器Aと容器Bにはそれぞれ食塩水が入っています。容器Aから食塩水を350g取り出して水を70g蒸発させると10%の食塩水ができます。また、容器Aから食塩水を450g、容器Bから食塩水を300g取り出してよく混ぜると6%の食塩水ができます。次の▢に当てはまる数を求めなさい。
⑴ 容器Aに入っている食塩水の濃さは▢%です。
「容器Aから食塩水を350g取り出して水を70g蒸発させると10%の食塩水」ができる。できあがった食塩水の量は280g(=350-70)だからここには280×0.1=28gの食塩が入っている。
この食塩28gはAから取り出した食塩水350gのなかに入っていたもの。
よって 28÷350=0.08 より ▢=8%
⑵ 容器Bに入っている食塩水の濃さは▢%です。
「容器Aから食塩水を450g、容器Bから食塩水を300g取り出してよく混ぜると6%の食塩水」ができる。これを天びん図にすると
より容器Bに入っている食塩水の濃さは 3%
⑶ 容器Aから食塩水を180g、容器Bから食塩水をg取り出して混ぜ、食塩水を作ろうとしたところ、間違えて容器Aからg、容器Bから180g取り出して混ぜてしまったので、できた食塩水の濃さは作ろうとしていた食塩水の濃さより2%濃くなりました。このとき、に当てはまる数は▢です。
AとBの量を逆にしてしまうと天びんの支点からのうでの長さも逆になる。
「できた食塩水の濃さは作ろうとしていた食塩水の濃さより2%濃く」なった状況を天びん図にすると「支点①となる予定だったのが支点②になってしまった」ということだから、予定していた支点①の左のうでの長さ () は
(5%-2%)÷2=1.5%
これを使って予定していた混ぜ方を天びん図にすると
180÷3×7=420g