以前の記事の続きです。
こちらも点の移動の今年の出題例になります。
立体内の点の移動(金蘭千里2023B)
図のように、1辺の長さが6cmの立方体の各面の対角線の交点をA、B、C、D、E、Fとし、AB、CD、EFの交点をOとする。点Pは点Oから出発し、サイコロをふって、出た目によって次のように移動していく。
1の目が出たとき、OからAに向かう方向に1cm移動する。
2の目が出たとき、OからBに向かう方向に1cm移動する。
3の目が出たとき、OからCに向かう方向に1cm移動する。
4の目が出たとき、OからDに向かう方向に1cm移動する。
5の目が出たとき、OからEに向かう方向に1cm移動する。
6の目が出たとき、OからFに向かう方向に1cm移動する。
以下、サイコロをふるごとに、点PがO→P₁→P₂→P₃→…と移動していくものとする。このとき、次の問いに答えなさい。
⑴ サイコロを2回だけふったとき、点P₂が点Oとなる場合は何通りありますか。
たとえば1回目=P₁が1 (A方向に1㎝進む) のとき2回目=P₂が2 (B方向に1㎝進む) だと2回目で出発点Oにもどる。
このように1回目の目6通りについて2回目に出発点Oにもどる目の出方がそれぞれ1通りずつあるから
6×1=6通り
⑵ サイコロを2回だけふったとき、3点O、P₁、P₂が三角形を作る場合は何通りありますか。
たとえば1回目=P₁が1 (A方向に1㎝) のとき2回目=P₂が3 (C方向に1㎝)、4 (D方向に1㎝)、5 (E方向に1㎝)、6 (F方向に1㎝) のどれかなら直角に曲がることになるのでO、P₁、P₂が(直角二等辺)三角形を作ることとなる。
このようにP₁が1のとき条件に合うP₂が4通りあり、P₁が2から6のときも同じようにP₂はそれぞれ4通りずつある。
よって 6×4=24通り
⑶ サイコロを3回だけふったとき、4点O、P₁、P₂、P₃が三角すいを作る場合は何通りありますか。
サイコロを3回ふって三角すいができるのはどんな場合か考えてみると
- まず「4点O、P₁、P₂、P₃が三角すいを作る」ためには最初の2回で三角形ができている(=3点O、P₁、P₂が三角形になっている)ことが必要→これは24通り(小問⑵)
- またたとえば1回目が1 (A方向) で2回目が3 (C方向) だったら3回目はO、A、Cがある平面とは違う方向に進むことが必要→これは5 (E方向) か6 (F方向) の2通りある
よって 24×2=48通り
立方体上の点(慶應義塾湘南藤沢2023)
図のように、平面の上に1辺10cmの立方体を2つ積み重ねる。点Pは正方形ABCDの辺上を、点Qは正方形EFGHの辺上をそれぞれ毎秒1cmの速さで動く。また、PQを延ばした線が正方形IJKLのある平面と交わる点をRとする。点P、Qは同時に動き出すものとする。
⑴ 点PがA→B、点QがG→Hと動くとき、点Rが平面上を動く道のりを求めなさい。
上から見た図を考えると次の通りだから 30㎝
⑵ 点PがA→B→C→D→A、点QがG→H→E→F→Gと動くとき、点Rが平面上を動く道のりを求めなさい。
上から見た図を考えると次の通りだから 120㎝
⑶ 点PがA→B→C→D→A、点QがG→H→G→H→Gと動くとき、点Rは動き始めてから動き終わるまでの間に平面上の点Xを2回通る。点Xを通るのは、点Rが動き始めてから何秒後と何秒後ですか。
手を動かして考えてみると、点Pと点Qが赤のように動いたときと青のように動いたときに点Rが平面上の同じ点Xで重なるのがわかる。
これは上から見ると次のようになったとき(1回目がP₁とQ₁、2回目がP₂とQ₂)
よって(1辺10cmだから)P₁は17.5cm進んだところ、P₂は32.5cm進んだところだから
17.5秒後と32.5秒後