以前の記事の続きです。
今年の入試問題から場合の数の第19弾です。
カードで作れる数(穎明館2023帰国)
1と書かれたカードが4枚、2と書かれたカードが3枚、3と書かれたカードが2枚あります。この中から3枚のカードを使って1列に並べて3けたの数を作ります。3けたの数は全部で▢個できます。
「3と書かれたカードが2枚」あるのをいったん3枚あるものとして考える。すると「1と書かれたカードが4枚、2と書かれたカードが3枚」あるのでぜんぶ3枚以上だから「3枚のカードを使って1列に並べて3けたの数」を作ると 3×3×3=27コ ができる。
このうち実際には3のカードは2枚しかないので「333」の数だけは作れない。
よって 27-1=26個
最短経路(須磨学園2023第2回)
下の図で、AからBに行く最短経路は▢通りです。ただし、斜めの線は通れますが、×の線は通れません。
「最短経路」なので斜めの線は必ず使うこととなる。すると
- Aから斜めの線の入口までの行き方が4通り
- 斜めの線の出口からBまでの(×を通らない)行き方が6通り
だから 4×6=24通り
積が4の倍数(海城2023第2回)
1から10までの整数から、異なる3個を選び、それらの積が4の倍数となるような選び方は何通りありますか。
まず「1から10までの整数」を「2で何回割り切れるか」に注目して3つのグループに分ける。
- グループ0(2では割り切れない)…… 1,3,5,7,9
- グループ1(2で1回割り切れる)…… 2,6,10
- グループ2(2で2回割り切れる)…… 4,8
そして選んだ「異なる3個」のなかにグループ2の数字が何コあるかで場合分けすると
❶ 2コある場合…すでに4で割り切れるので残り1コはグループ0、グループ1にある8コから自由に選べる→8通り
❷ 1コある場合…この1コを4にするか8にするかというグループ2の選び方で2通り。すでに4で割り切れるので残り2コはグループ0、グループ1から自由に選べるから8コから2コを選ぶ選び方で 8×7÷2=28通り→ぜんぶで2×28=56通り
❸ 0コの場合…3コともグループ1から選ぶ選び方が1通り。グループ1から2コとグループ0から1コを選ぶ選び方が 3×5=15通り(グループ1から選ぶのが1コ以下だと4で割り切れない)→ぜんぶで 1+15=16通り
よって 8+56+16=80通り
体育館使用の割り当て(関東学院中2023B)
体育館をバレーボール部、バスケットボール部、バドミントン部の3つの部が、月・水・木・金の4日を次の条件で使うことにします。
① それぞれの日には2つの部が活動する。
② どの部も必ず1日は使う。
③ バレーボール部は他の2つの部よりも多くの日数を使う。
これらの条件に合うような割り当て方は、全部で何通りありますか。
受験者正答率10.3%の問題(学校発表)
3つの条件を整理していくと
- ①よりのべ8日分の活動枠がある
- ここに②も考えるとどの部も活動日数は最大4日、最小1日。とすると3つの部の活動日数の組合せは ㋐(4日、3日、1日)、㋑(4日、2日、2日)、㋒(3日、3日、2日) のどれか
- だが③を考えると㋒はなくなって㋐か㋑だけ。とするとバレーボール部は4日ぜんぶを使うことが決まる。
こうして残り4日分の枠をバスケ部とバドミントン部で使う使い方だけ考えればいいとわかるから
- バスケが3日でバドミントンが1日…バドミントン部がどの1日を使うかの決め方だから(あとは自動的にバスケの活動日に決まるから)4通り
- バスケが2日でバドミントンが2日…バドミントン部がどの2日を使うかの決め方だから 4×3÷2=6通り
- バスケが1日でバドミントンが3日…1.と同じ考え方で 4通り
の合計14通り