場合の数2023⑱ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

今年の入試問題から場合の数の第18弾です。

 

  ソーシャルディスタンス(神奈川大学附属2023第2回)

 

図のように、AからGまで席が横一列に並んでいます。この7つの席に太郎さん、次郎さん、花子さんが必ず1つ以上の席を空けて座ります。

①3人が、A、C、Eの席に座るとき座り方は全部で何通りありますか。

 

右矢印 Aに3人のうちのだれかが座るから3通り、Cに残った2人のうち1人が座るから2通り、Eには最後に残った1人が座るから1通り。

よって 3×2×1=6通り

 

②座り方は全部で何通りありますか。

 

右矢印 まずどの3席を座る席にするかを考える。

座る3席を左から①席、②席、③席とよぶとき②席をどこにするかを考えるとC、D、Eのどれか。

  1. Cを②席とするとき…(「必ず1つ以上の席を空けて」座るからBとDは空席となり)①席はAに決まり1通り、③席はE、F、Gの3通りあるから 1×3=3通り
  2. Dを②席とするとき…(CとEが空席となり)①席はAかBかで2通り、③席はFかGかで2通りあるから 2×2=4通り
  3. Eを②席とするとき…1.と同じパターンで3通り

とすると座る3席の決め方が10通り(=3+4+3)ある。

 

そしてその3席に誰が座るかの決め方がそれぞれ6通りずつある(小問⑴)から

 10×6=60通り

 

 

  円周上の四角形(豊島岡2023第3回)

 

ある円周上に円周を7等分する点をとり、これらの点から4つの点を選んで四角形をつくるとき、異なる形の四角形は何種類できますか。ただし、裏返したり回転させたりして重なるものは1種類と数えるものとします。

 

右矢印 四角形の4つの頂点が「円周上の点で数えるといくつ離れているか」をもとに四角形を区別する。

すると足して7となる4つの数の組を考えればよいから

 ①(1,1,1,4)

 ②(1,1,2,3)

 ③(1,2,2,2)

の3組ある。

このうち

  • ①は順番をどう並べかえてもすべて「裏返したり回転させたりして重なるもの」となってしまうので1通り
  • ③も同じで1通り
  • ②についてはこれを並べかえたうちの1つ(1,2,1,3)は(1,1,2,3)とは「異なる形の四角形」となるので2通り

よって 1+2+1=4通り

 

 

  ぶつからない移動(大妻中野2023帰国第2回)

 

Aさん、Bさん、Cさんは図のように正三角形の各頂点に立ち、正三角形の辺にそって同時にとなりの頂点まで動いてみました。左右どちらの頂点に動くかは自由です。

⑴ どの2人もぶつからずに移動できるのは何通りありますか。

 

右矢印 A、B、Cの3人とも①右に1つ動くか、②左に1つ動くかの 2通り

 

⑵ ぶつかってしまうのは何通りありますか。

 

右矢印 ぜんぶの動き方はAは右に動くか左に動くかで2通り、Bも同じく2通り、Cも同じく2通りあるから 2×2×2=8通り

このうちどの2人もぶつからずに移動できる2通りがあるから、ぶつかってしまうのはそれ以外の 6通り

 

⑶ 今度はAさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんの5人で、正五角形の各頂点に立ち、同じように正五角形の辺にそって同時にとなりの頂点まで動いてみました。左右どちらの頂点に動くかは自由です。ぶつかってしまうのは何通りありますか。

 

右矢印 小問⑵と同じように考えると

  1. どの2人もぶつからずに移動できるのは A、B、Cの3人とも①右に1つ動くか、②左に1つ動くかの 2通り
  2. ぜんぶの動き方はAは右に動くか左に動くかで2通り、B、C、D、Eも同じく2通りずつあるから 2×2×2×2×2=32通り
よって、ぶつかってしまうのは
 32-2=30通り
 

⑷ ある正多角形の各頂点に人が立ち、同じように辺にそって同時にとなりの頂点まで動いてみたところ、ぶつかってしまうのが2046通りありました。このとき、図形は正何角形ですか。

 

右矢印 小問⑶までと同じように考えると

  1. どの2人もぶつからずに移動できるのは何角形であっても同じで、全員が①右に1つ動くか、②左に1つ動くかの 2通り
  2. 問題文の「ある正多角形」の場合、「ぶつかってしまうのが2046通り」あるから(ぶつからずに移動できる2通りを足すと)ぜんぶの動き方は 2048通り あることになる。