以前の記事の続きです。
こちらも数の性質からの今年の出題例です。
約数の個数(芝浦工大附属2023特色)
1から50までの整数のうち、
2は約数を2個もつ数の最小の数です。約数を2個もつ数は、全部で[ ① ]個あります。
4は約数を3個もつ数の最小の数です。約数を3個もつ数は、全部で[ ② ]個あります。
6は約数を4個もつ数の最小の数です。約数を4個もつ数は、全部で[ ③ ]個あります。
約数の個数について必ずおさえておきたい基本知識(過去記事「約数の個数いろいろ」①②も参照)
①約数が2個となるのは素数だけ(超頻出)。50までの素数を数えていくと 2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19,23,27,31,37,41,43,47の15個
②約数が3コとなるのは素数の平方数だけなので 4, 9, 25, 49の4個
③約数が4コとなるのは➊A×B(A、Bは異なる素数)の形の数と❷素数の立方数
- A×B(A、Bは異なる素数)の形…6, 10, 14, 15, 21, 22, 26, 33, 34, 35, 38, 39, 46の13個
- 素数の立方数(A×A×Aの形)…8, 27の2個
の合計で15個
約数の和と約数の逆数の和(筑波大学附属2023)
ある整数のすべての約数の和は252になり、すべての約数の逆数の和は2⅝になりました。ある整数を求めなさい。
ある整数とその約数との関係については
(その数) × (その約数の逆数の和)
=(その約数の和)*
という式が成り立つ。
よって、ある整数▢は
▢×2⅝=252 より ▢=252×⁸⁄₂₁=96
*よく考えると当たり前のことで、実際に96についてためしてみると
約数の和:
1+2+3+4+6+8+12+16+24+32+48+96=252
約数の逆数の和:
¹⁄₁+½+⅓+¼+⅛+¹⁄₁₂+¹⁄₁₆+¹⁄₂₄+¹⁄₃₂+¹⁄₄₈+¹⁄₉₆…①
そして①を通分したときの分母と分子を考えると
- 分母:96(=その数)
- 分子:96+48+32+24+16+12+8+6+4+3+2+1(=約数の和)
積が最大となる式(浦和明の星2023第2回)
次の問いに答えなさい。
①1から9までの数字の中から異なる3個を使って、(2桁)×(1桁) の式をつくります。このとき、答えが一番大きくなる式を答えなさい。
「答えが一番大きくなる式」を考えるので「異なる3個」は大きいものから3コ(9,8,7)を使う。
このときかけ算の性質から90×8=720か80×9=720を使うときが最大となる。
あとは①97×8と②87×9をくらべて決めると
①97×8=776
②87×9=783
だから 87×9
②1から9までの数字の中から異なる5個を使って、(3桁)×(2桁) の式をつくります。このとき、答えが一番大きくなる式を答えなさい。
「異なる5個」は大きいものから5コ(9,8,7,6,5)を使う。
このときかけ算の性質から 900×80=7200 か 800×90=7200 を使うのが最大となる。
あとは①「9■■×8」の形でできる最大の数と②「8■■×9」の形でできる最大の数(■は7,6,5)をくらべて決めると
①「9■■×8■」の形(ぜんぶで6通りあるうち次の3通りだけ調べればよい)
- 976×85=82960
- 975×86=83850
- 965×87=83955
②「8■■×9■」の形(ぜんぶで6通りあるうち次の3通りだけ調べればよい)
- 876×95=83220
- 875×96=84000
- 865×97=83905
よって 875×96