カード問題⑪(最大公約数) | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

こちらも今年出されたカード問題です。

 

1から200までの整数が書かれた200枚のカードがあり、ここからA君、B君、C君の順に1枚ずつカードを引きました。なお、引いたカードはもとにもどさなかったものとします。
B君が引いたカードに書かれていた数は、同じ整数を2回かけた数でした。また、3人がそれぞれ引いたカードに書かれていた数の最大公約数と、A君とB君の2人がそれぞれ引いたカードに書かれていた数の最大公約数はともに12でした。あとの問いに答えなさい。(東京都市大学付属2023第2回)
問1 A君が引いたカードに書かれていた数は、全部で何通り考えられますか。

 

右矢印まずB君のカードを考えると「1から200までの整数」のうち「同じ整数を2回かけた数」つまり平方数。また「A君とB君の2人がそれぞれ引いたカードに書かれていた数の最大公約数は…12」だから12の倍数

 

となるとB君のカードは36(=12×3)か144(=12×12)のどちらか。場合分けをして調べると

  1. B君のカードが36のとき…A君のカードは 12×1、12×2、12×4、12×5、12×7、12×8、12×10、12×11、12×13、12×14、12×16 の11通り(12×3、12×6、12×9、12×12、12×15だと最大公約数36となってしまう。また12×17=204からは200を超えてしまう)
  2. B君のカードが144のとき…A君のカードは 12×1、12×5、12×7、12×11、12×13 の5通りあるがこれらはすべて1.と重なる

よって全部で 11通り

 

受験生正答率22%の問題。このあと小問⑵が28%、小問⑶が7%と続きます(学校発表

 

問2   A君が引いたカードに書かれていた数が7の倍数であったとします。A君が引いたカードに書かれていた数の約数の個数と、B君の引いたカードの数の約数の個数の和が最も大きくなるとき、この約数の個数の和はいくつですか。

 

右矢印A君が引いたカードに書かれていた数が7の倍数」のときその数は①84(=12×7)か②168(=12×14)

 

このとき「A君が引いたカードに書かれていた数の約数の個数」は

 ①84=2×2×3×7だから(×2が2コ、×3が1コ、×7が1コなのでそれぞれの個数に1を足したものの積が約数の個数だから)3×2×2=12個

 ②168=2×2×2×3×7だから 4×2×2=16個

 

またB君のカードは㋐36(=12×3)か㋑144(=12×12)のどちらか。このとき「B君の引いたカードの数の約数の個数」は

 ㋐36=2×2×3×3だから 3×3=9個

 ㋑144=2×2×2×2×3×3だから 5×3=15個

 

とすると「約数の個数の和が最も大きくなる」のは②と㋑の組合せのときとなりそうだが168と144の最大公約数は(12ではなく)24となってしまい②と㋑の組合せはない

 

よって次に大きい①と㋑の組合せが答えとなり(84と144の最大公約数はたしかに12となり)その約数の個数の和は 12+15=27

 

問3   A君が引いたカードに書かれていた数が5の倍数であったとします。B君が引いたカードに書かれていた数と、C君が引いたカードに書かれていた数の和が、A君が引いたカードに書かれていた数で割り切れたとき、3人がそれぞれ引いたカードに書かれていた数の組合せは全部で何通り考えられますか。

 

右矢印A君が引いたカードに書かれていた数が5の倍数」のときその数は①60(=12×5)か②120(=12×10)

 

B君のカードは㋐36(=12×3)か㋑144(=12×12)のどちらかだが、最大公約数が12となる組合せは①と㋐、①と㋑、②と㋐の3通りある(②と㋑だと120と144の最大公約数なので24となってしまう)

 

それぞれ調べていくと

  1. ①と㋐のとき…A=60、B=36。このときB+Cは(37以上236以下で60の倍数をさがすと)60、120、180のどれか→ (A,B,C) は (60,36,24)、(60,36,84)、(60,36,144)の3通り
  2. ①と㋑のとき…A=60、B=144。このときB+Cは(145以上344以下の60の倍数だから)180、240、300のどれか→ (A,B,C) は (60,144,36)、(60,144,96)、(60,144,156) の3通り
  3. ②と㋐のとき…A=120、B=36。このときB+Cは(37以上237以下の120の倍数だから)120だけ→ (A,B,C) は (120,36,84) の1通り
  4. 以上の7通りはすべて「3人がそれぞれ引いたカードに書かれていた数の最大公約数」は12という条件にも合っている
よって 7通り 完了