ババ抜き | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

トランプ遊びでは定番の「ババ抜き」をヒントにしたと思われる入試問題です。

 

ハートの1から5のトランプとスペードの1から6のトランプ(合計11枚)があります。これらのトランプについて以下の操作を行います。

[操作1]カードをよく混ぜてから公太さんと文子さんの2人に配る。カードは公太さんから1枚ずつ配り、公太さんに6枚、文子さんに5枚配る。
[操作2]配られたあと、手札に同じ数のカードがあった場合、それらのカードは手札から取りのぞく。


 

このとき、次の問いに答えなさい。(公文国際2023B)
⑴ 操作2の後、公太さんと文子さんのカードの枚数が2人合わせて7枚になったとき、文子さんの手札に残ったカードの枚数を答えなさい。

 

右矢印手札に同じ数のカードがあった場合、それらのカードは手札から取りのぞく」というルールだからへっていくときは2枚ずつ

  • とすると最初に「公太さんに6枚、文子さんに5枚配る」から公太さんは必ず偶数枚(0枚をふくむ)、文子さんは必ず奇数枚のカードが手札に残る
  • また手札に残るのは❶6のカードの場合と❷同じ数のカードをたがいに1枚ずつ持ち合っている場合だけなので2人の手札に残るカード枚数の差は必ず1枚
よって「カードの枚数が2人合わせて7枚になったとき」文子さんの手札に残った枚数は(奇数枚で公太さんとは1枚差だから)3枚

 

⑵ 操作2の後、公太さんと文子さんのカードの枚数が2人合わせて3枚になったときのカードの残り方を以下のように考えました。▢に当てはまる数を答えなさい。

公太さんのカードの残り方を考えれば、文子さんのカードの残り方も決まるので、公太さんのカードの残り方を考える。公太さんの手札の枚数は2枚、文子さんの手札の枚数は1枚となり、スペードの6を持つのは公太さんである。
公太さんのもう1枚のカードの残り方を考えればよいが、数の選び方とハー卜かスペードかを考えると、残り方は▢通りとなる。

 

右矢印公太さんのもう1枚のカードの残り方」を考えると「数の選び方」は1から5までのどれかで5通り、「ハートかスペードか」でそれぞれ2通りあるから 5×2=10通り。

よって ▢=10

 

⑶ 操作2の後、公太さんと文子さんのカードの枚数が2人合わせて9枚になるカードの残り方は何通りありますか。

 

右矢印 同じように公太さんのカードの残り方だけ考える(このとき文子さんのカードの残り方も自動的に決まる)

 

残ったカードが「2人合わせて9枚」なら公太さんの手札に残った枚数は(偶数枚で文子さんとは1枚差だから)4枚。このときスペードの6を持つのは文子さんなのでこの4枚とも1から5までのどれか

 

よって公太さんの残りカードは「数の選び方」が5コから4コを選ぶから5通り、その選んだ数ごとに「ハートかスペードか」で2通りずつあるから
 5×2×2×2×2=80通り

 

⑷ 操作2の後、公太さんも文子さんも1枚以上カードが残ったとします。カードの残り方は何通りありますか。途中の式や考え方も書きなさい。

 

右矢印公太さんも文子さんも1枚以上カードが残った」ときの残り枚数は2人合わせて3枚、5枚、7枚、9枚、11枚のどれか。

それぞれの場合について公太さんのカードの残り方を調べると

  • 3枚残った場合…10通り(小問⑵)
  • 5枚残った場合…公太さんの残り枚数は(偶数枚で文子さんとは1枚差だから)2枚。このときスペードの6を持つのは文子さん→2枚のカードの数とマークの選び方だから (5×4÷2)×2×2=40通り
  • 7枚残った場合…公太さんの残り枚数は4枚(小問⑴)。このときスペードの6を持つのは公太さん→残り3枚のカードの数とマークの選び方だから (5×4÷2)×2×2×2=80通り
  • 9枚残った場合…80通り(小問⑶)
  • 11枚残った場合…公太さんの手札には(スペードの6のほかに)1から5までのカードがそのまま残っているから「ハートかスペードか」だけ考えて 2×2×2×2×2=32通り

よって 10+40+80+80+32=242通り 完了