学習教材に使わないのはもったいない入試問題⑧(ケタばらし) | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

受験算数界の定番テクニックの一つに「ケタばらし」などとよばれるものがあります。文字通り、ケタごとにばらして考える方法です。

他の受験生と差をつけられないためにも次の問題などでその考え方をおさえておきたいところです。

 

3枚のカード1⃣、8⃣、9⃣を並べてできる3けたの整数は全部で6個あります。これら6個の整数の平均を、次のような2つの方法で求めることができます。
【方法1】
6個の整数をすべて足し、その個数で割ればよいので、6個の整数の平均は、
  (189+198+819+891+918+981)÷6=3996÷6=666

【方法2】
6個の整数の100の位の数の和は、
  (1+8+9)×2=36
よって、6個の整数の100の位の数の平均は、
  36÷6=6
同様にして、10の位の数の平均も、1の位の数の平均も6になるので、6個の整数の平均は、
 6×(100+10+1)=666

次の問に答えなさい。(森村2023第2回)

⑴ 3枚のカード3⃣、5⃣、7⃣を並べてできる3けたの整数の平均はいくつですか。

 

右矢印 方法2で考えると、こうしてできる6コの整数の100の位の数の和は
  (3+5+7)×2=30
よって、6コの整数の100の位の数の平均は
  30÷6=5
同様にして、10の位の数の平均も、1の位の数の平均も5になるので、6個の整数の平均は、
 5×(100+10+1)=555

 

⑵ 1から9までの数字のうち、異なる数字が書かれた3枚のカードを並べてできる3けたの整数の平均が444になりました。このような3枚のカードの組み合わせは全部で何通りありますか。


右矢印 6コの整数の100の位の数の平均が4だから
  4×6=24

これは3つの異なる数を2回ずつ足したものだから
 24÷2=12
より和が12になる3つの異なる数の組み合わせをさがせばよい。よって

(1,2,9)(1,3,8)(1,4,7)(1,5,6)

(2,3,7)(2,4,6)(3,4,5)

7通り

 

⑶ 4枚のカード1⃣、3⃣、5⃣、7⃣を並べてできる4けたの整数は全部で何個ありますか。また、これらの整数の平均はいくつですか。

 

右矢印 この4枚のカードを並べてできる4けたの整数は全部で

 4×3×2×1=24個

 

この24コの整数の1000の位の数の和は、1、3、5、7を6回ずつ足したものだから
  (1+3+5+7)×6=96
よって、24コの整数の1000の位の数の平均は、
  96÷24=4
同様にして、100、10、1の位の数の平均も4になるので、24個の整数の平均は、
 4×(1000+100+10+1)=
4444 完了