以前の記事の続きです。
単純な問題設定なのになかなか奥が深い色のぬり分け問題の第6弾です。
5か所を3色でぬる(穎明館2023第3回)
右の図のA、B、C、D、Eそれぞれの場所に絵の具を使って色をぬります。ただし、となりあった場所にはちがう色をぬります。このとき、次の問いに答えなさい。
⑴ 赤、青、黄、緑、黒の5色の絵の具をすべて使う場合、何通りのぬり方がありますか。
5か所を5色でぬるからそのまま 5×4×3×2×1=120通り
⑵ 同じ色をぬることができる2か所が3組あります。それらをすべて答えなさい。
Aから順にみていくと(重ならないようA→Eの方向だけ考えると)
- A…B、C、D、EのうちとなりあっていないのはEだけ
- B…C、D、EのうちとなりあっていないのはCだけ
- C…D、EのうちととなりあっていないのはEだけ
- D…Eはとなりあっているためなし
よって AとE、BとC、CとE
⑶ 赤、青、黄、緑の4色の絵の具をすべて使う場合、何通りのぬり方がありますか。
「4色の絵の具をすべて使う場合」どこか2か所で同じ色を使うことになる。その2か所は小問⑵でみた3組なので順に考えていくと
- AとEを同じ色でぬるとき 4×3×2×1=24通り
- BとC、CとEを同じ色でぬるときも同じく24通りずつ
よって 24×3=72通り
⑷ 赤、青、黄の3色の絵の具をすべて使う場合、何通りのぬり方がありますか。
「3色の絵の具をすべて使う場合」には①D、②AとE、③BとC、の3つの場所で1色ずつ使うことになる。
このとき①の色の決め方が3通り、②の色の決め方が残る2通り、③の色の決め方が残った1通りだから 3×2×1=6通り
3か所を4色でぬる(穎明館2023第1回)
右のような紙のA、B、Cの部分にそれぞれ色をぬります。同じ色を2回使うことはできますが、となりどうしの色は異なるようにします。また、使わない色があってもよいとします。このとき、次の問いに答えなさい。
⑴ 使える色が赤、青、黄の3色であるとき、何通りのぬり方がありますか。
「使わない色があってもよい」ことに注意する。
「使える色が赤、青、黄の3色」だからAの決め方が3通り、BはA以外の色で2通り、CはB以外の色ならいいので(Aと同じでもいいので)2通り。
よって 3×2×2=12通り
⑵ 使える色が赤、青、黄、緑の4色であるとき、たとえば赤-青-赤のように、AとCに同じ色をぬるぬり方は何通りありますか。
AとCに色①、Bに色②をぬるものとすると「使える色が赤、青、黄、緑の4色」なので色①の決め方が4通り、色②の決め方が残り3色のどれかで3通りだから
4×3=12通り
⑶ 右のように紙を180°回転させたとき、同じ色の並び方になるものは、合わせて1通りと数えることにします。たとえば、赤-青-黄と黄-青-赤は同じぬり方と考えます。使える色が4色あるとき、この数え方で何通りのぬり方がありますか。
「紙を180°回転させたとき」の例外ルールをひとまず考えないことにすると
❶3色を使うとき…4色から3色を選ぶ選び方が(選ばない1色の決め方と同じだから)4通り。選んだ3色をどう並べるかの並べ方が3×2×1=6通り。これらは同時に起きるから4×6=24通り
❷2色を使うとき…4色から2色を選ぶ選び方が4×3÷2=6通り。選んだ2色の並べ方が(どちらを真ん中Bにするかで)2通り。これらは同時に起きるから6×2=12通り
だから❶❷あわせて36通りある。
これに対して「紙を180°回転させたとき、同じ色の並び方になるものは、合わせて1通りと数える」場合にどうなるか考えると
- ❶の24通りには180°回転させると同じになるものが2つずつあるから半分の12通りになる
- ❷はもともと左右対称なのでそのまま12通り
よって 12+12=24通り