点の移動④ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

点の移動の今年の出題例です。

 

図のように、1辺の長さが10cmの正三角形ABCと、1辺の長さが5cmの正方形CDEFがあります。3つの点P、Q、Rは以下のルールで動きます。

 • 点Pは辺BCのちょうど真ん中から毎秒1cmの速さで正三角形ABCの辺上を反時計まわりに動く。
 • 点Qは辺BCのちょうど真ん中から毎秒1cmの速さで六角形ABCDEFの辺上を時計まわりに動く。
 • 点RはDから每秒1cmの速さで六角形ABCDEFの辺上を反時計まわりに動く。

PとQとRは同時に動き始め、5分後に止まります。このとき、次の問いに答えなさい。(市川中2023)

⑴ 5分間で、QとRが出会うのは何回か求めなさい。

 

右矢印 点Qがスタートする「辺BCのちょうど真ん中」の地点をMとする。

  • はじめにQはMに、RはDにいる。このMD間の長さは(M→B→A→F→E→Dと足していくと)5+10+5+5+5=30㎝
  • QはMから出て「時計まわりに」、RはDから出て「反時計まわりに」動く。どちらも「毎秒1cmの速さ」だから 30÷(1+1)=15より、QとRが最初に出会うのは15秒後(でA地点。その様子は下図の通り)
  • そしてQとRはどちらも「六角形ABCDEFの辺上を」動く。六角形ABCDEFは長さ40㎝(A→B→Cが20㎝、C→D→E→F→Aが20㎝)なので 40÷(1+1)=20 よりその後20秒ごとに出会う
よって、300秒=15秒+20秒×14+5秒 より、QとRは15秒後に最初に出会いそのあと14回出会うから合計15回

 

 

⑵ 5分間で、PとRが重なっていたのは何秒間か求めなさい。

 

右矢印 問題文から情報を整理すると

  • PはMから出て「正三角形ABCの辺上を反時計まわりに」、RはDから出て「六角形ABCDEFの辺上を反時計まわりに」動く。どちらも「毎秒1cmの速さ」だから最初に出会うのは10秒後(でF地点。その様子は下図の通り)
  • その後F→A→B→Cの間はPとRは重なって動く。FからCまで25㎝あるから重なるのは25秒間
  • 1周するのに「正三角形ABCの辺上を」動くPは30秒、「六角形ABCDEFの辺上を」動くQとRは40秒かかるから(その最小公倍数である)120秒周期でもとの位置関係にもどる
  • とすると2回めに重なるのは130秒後でその後も120秒ごとに重なる
よって、300秒=10秒+120秒×2+50秒 より、PとRは5分間で3回(10秒後、130秒後、250秒後)重なり、重なる時間は25×3=75秒間
 

⑶ 5分後に3つの点が止まったとき、PEとRCの交わる点をTとします。このとき、角CTPの大きさを求めなさい。

 

右矢印 P、Q、Rの5分後の場所をみると

  • Pは30秒周期で動くから 300÷30=10 よりちょうどスタート地点Mにもどっている
  • Qは40秒周期だから 300÷40=7あまり20 よりスタート地点Mから20秒進んだF地点にいる
  • Rも40秒周期だからスタート地点Dから20秒進んだAとBのちょうど真ん中にいる
このとき
  • P、Q、Rはそれぞれ正三角形の3辺の真ん中の点だから四角形PCQRはひし形でその2本の対角線であるRCとPQは直角にまじわる
  • 三角形QPEはQP=QEの二等辺三角形でその頂角は60+90=150°だから角QPEは15°(=(180-150)÷2)
よって角CTPは青の三角形の外角だから 90+15=105°完了