メールの送り方 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事に関連する話です。

 

今年出された場合の数の問題の一つです。

 

A、B、C、D、Eの5人全員が、自分以外のだれか1人にメールを送ります。次の問いに答えなさい。(フェリス2023)
⑴ メールを受け取るのが2人であるようなメールの送り方は何通りありますか。

 

右矢印 メールを受け取る2人をひとまずAとBにする。このとき

  1. Cのメールの送り先はAかBの2通り。D、Eの送り先も同じくAかBの2通り→C、D、Eの送り方は2×2×2=8通り
  2. Aのメールの送り先はB、Bのメールの送り先はAに自動的に決まる

なので8通り

 

そしてメールを受け取る2人の決め方が(5人から2人を選ぶ選び方なので)5×4÷2=10通りある。

 

これらは同時に起こるから 8×10=80通り

 

⑵ メールを受け取るのが4人であるようなメールの送り方は何通りありますか。
⑶ メールを受け取るのが3人であるようなメールの送り方は何通りありますか。

 

右矢印 メールを受け取るのが3人の場合(小問⑶)をまず考え、つぎに4人の場合(小問⑵)を考える。

 

  小問⑶ メールを受け取るのが3人の場合

 

メールを受け取る3人をひとまずA、B、Cにする。このとき

  1. Aのメールの送り先はBかCの2通り。同じようにBの送り先はCかA、Cの送り先はAかBの2通り→A、B、Cの送り方は2×2×2=8通り
  2. Dのメールの送り先はA、B、Cの3通り、Eの送り先も同じく3通り→D、Eの送り方は3×3=9通り
これらは同時に起こるから 8×9=72通り

 

しかしこの数え方だと2人だけメールを受け取る送り方24通り(=AとBだけ受け取る8通り(小問⑴。以下同じ)+BとCだけ受け取る8通り+CとAだけ受け取る8通り)も一緒に数えてしまっているから、これらを引く必要があるので

 72-8×3=48通り

 

そしてメールを受け取る3人の決め方が(5人から3人を選ぶ選び方=5人から残す2人を選ぶ選び方なので)5×4÷2=10通りある。

 

これらは同時に起こるから 48×10=480通り

 

  小問⑵ メールを受け取るのが4人の場合

 

メールを受け取る4人をひとまずA、B、C、Dにする。このとき

  1. Aのメールの送り先はB、C、Dの3通り。同じようにB、C、Dの送り先も3通りずつ→A、B、C、Dの送り方は3×3×3×3=81通り
  2. Eのメールの送り先はA、B、C、Dの4通り
これらは同時に起こるから 81×4=324通り

 

しかしこの数え方だと

  • 2人だけメールを受け取る送り方48通り(=ABだけ受け取る8通り(小問⑴。以下同じ)+ACだけ受け取る8通り+ADだけ受け取る8通り+BCだけ受け取る8通り+BDだけ受け取る8通り+CDだけ受け取る8通り)
  • 3人だけメールを受け取る送り方192通り(=ABCだけ受け取る48通り(小問⑶。以下同じ)+ABDだけ受け取る48通り+ACDだけ受け取る48通り+BCDだけ受け取る48通り)

も一緒に数えてしまっているから、これらを引くと

 324-48-192=84通り

 

そしてメールを受け取る4人の決め方が(受け取らない1人を選ぶ選び方なので)5通りある。

 

これらは同時に起こるから 84×5=420通り 完了

 

 
なお、すべてのメールの送り方(自分には送らない)は4×4×4×4×4=1024通りあるので
 ①2人が受け取る場合が80通り(小問⑴)
 ②3人が受け取る場合が480通り(小問⑶)
 ③4人が受け取る場合が420通り(小問⑵)
だとしたら、
 ④5人が受け取る場合は 1024-(①+②+③)=44通りとなります。これは「プレゼント交換」のところで出てきた5番目のモンモール数であり、たしかに5人のプレゼント交換で全員が自分のプレゼントを受け取らないのと同じ状況になっています(④を先に気づけたら③を求めるところで時間の短縮ができそうです)。