数当て問題2023 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年の入試問題から、数を当てる「数当て問題」になります。

 

右の表のAからGのそれぞれの欄に0か1の数を1つずつ次のようにして書きます。

A、B、C、Dの欄には、0か1の数を1つずつ書きます。
Eの欄には、A、B、Cの欄にある1の個数が奇数なら1を、偶数なら0を書きます。
Fの欄には、A、B、Dの欄にある1の個数が奇数なら1を、偶数なら0を書きます。
Gの欄には、A、C、Dの欄にある1の個数が奇数なら1を、偶数なら0を書きます。次の問いに答えなさい。(フェリス2023)

⑴ A、B、C、Dの欄に下のように数を書いたとき、E、F、Gの欄にあてはまる数を答えなさい。

右矢印 ルールにあてはめてみると

  • E欄…ABC欄に1は2コ→偶数で0
  • F欄…ABD欄に1は1コ→奇数で1
  • G欄…ACD欄に1は1コ→奇数で1

よって次のとおり

 

⑵ 花子さんがこのやり方で数を書いたあと、町子さんがそれを別の表に書き写します。町子さんはすべての欄の数を正しく書き写すか、1つの欄だけ0と1をまちがえて書き写します。2つ以上の欄についてまちがえることはありません。
① 町子さんがまちがいなく書き写したとき、A、B、C、Eの欄にある1は何個ありますか。すべての場合を答えなさい。

右矢印 ルールにあてはめて1の合計を数えると

  • ABC欄に1が3コのときE欄は1→合計4コ
  • ABC欄に1が2コのときE欄は0→合計2コ
  • ABC欄に1が1コのときE欄は1→合計2コ
  • ABC欄に1が0コのときE欄は0→合計0コ
よって 0個、2個、4個

② 町子さんがA、B、D、Fの欄のうち1つだけ0と1をまちがえて書き写したとき、A、B、D、Fの欄にある1は何個ありますか。すべての場合を答えなさい。

右矢印 1の個数で場合分けして考えると

  • ABD欄に1が3コでF欄は1の場合…ABD欄で1を0に書きまちがえたときABD欄の1は2コでF欄は1のままで合計3コ。F欄で1を0に書きまちがえたときも合計3コ(ABC欄3+F欄0)
  • ABD欄に1が2コでF欄は0…ABD欄で1を0に(または0を1に)書きまちがえたときABD欄の1は1コ(または3コ)でF欄は0のままで合計1コ(または3コ)。F欄で0を1に書きまちがえたときは合計3コ(ABC欄2+F欄1)
  • ABD欄に1が1コでF欄は1…ABD欄で1を0に(または0を1に)書きまちがえたときABD欄の1は0コ(または2コ)でF欄は1のままで合計1コ(または3コ)。F欄で1を0に書きまちがえたときは合計1コ(ABC欄1+F欄0)
  • ABD欄に1が0コでF欄は0…ABD欄で0を1に書きまちがえたときABD欄の1は1コでF欄は0のままで合計1コ。F欄で0を1に書きまちがえたときは合計1コ(ABC欄0+F欄0)
よって 1個、3個

③ 町子さんが書き写した表を調べると、次のことが分かりました。
A、B、C、Eの欄にある1は1個で、A、B、D、Fの欄にある1は2個で、A、C、D、Gの欄にある1は3個でした。町子さんが、すべての欄を正しく書き写していた場合は、答の欄に〇を書きなさい。0と1をまちがえて書き写した欄がある場合は、その欄のアルファベットを書きなさい。

右矢印 前の2つの小問から、1の数が偶数個だと正しい、奇数個だとまちがいだとわかる。

とすると「A、B、C、Eの欄にある1は1個で、A、B、D、Fの欄にある1は2個で、A、C、D、Gの欄にある1は3個」だったので、ABCE欄のどこか1つがまちがいで、ACDG欄のどこか1つがまちがいだとわかる。2つで共通するのはA欄とC欄だが、ABDF欄はすべて正しいとわかっているから、まちがえて書き写した欄は C

④ 町子さんが書き写した表がA、B、C、Eの欄にある1は2個で、A、B、D、Fの欄にある1は3個で、A、C、D、Gの欄にある1は4個だったとします。このとき、花子さんが書いた表の数を答の欄に書きなさい。

 

右矢印 1の数が偶数個だと正しい、奇数個だとまちがいだから「A、B、C、Eの欄にある1は2個で、A、B、D、Fの欄にある1は3個で、A、C、D、Gの欄にある1は4個」だったとき、ABDF欄のどこか1つにまちがいがあったことがわかる。そしてABCE欄とACDG欄は正しいのがわかっているからまちがいがあったのはF

 

これをもとに表をうめていくと、まず「A、C、D、Gの欄にある1は4個」は正しい情報なのでACDGの4つはすべて1に決まる。

A、B、C、Eの欄にある1は2個」も正しいのでBEはどちらも0に決まる。

そして「Fの欄には、A、B、Dの欄にある1の個数が…偶数なら0」を書くからFは0に決まる。(これは「A、B、D、Fの欄にある1は3個」にあるFの情報はまちがいだということとも一致する。)

E欄とG欄も上の条件に合っており、花子さんが書いた表の数は次のとおり。

完了