図形を使った場合の数の問題 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

場合の数の問題で図形と組み合わせたものが出されることがあります。図形の理解と場合の数の理解とがまとめて問われることになります。

たとえば次の問題。

 

1〜6の目があるさいころを3回投げ、出た目を順にア、イ、ウとします。次に、下の図1のようにAB=ア㎝、BE=4㎝、EC=イ㎝、CD=ウ㎝で、2つの辺ABとDCが平行で、ともに辺BCと垂直になるような台形ABCDと辺BC上の点Eを作ります。また、AとE、DとEを結んで作られる角AEDの大きさを𝓧とします。


たとえば、(ア,イ,ウ) = (6,1,3) のときは上の図2のようになります。このとき、次の問いに答えなさい。(栄東中2022)

 

⑴ (ア,イ,ウ) = (1,5,6) のとき、三角形AEDの面積を答えなさい。

 

右矢印 △AED=台形ABCD-△ABE-△ECDなので

  • 台形ABCD=(1+6)×(4+5)÷2=31.5㎠
  • △ABE=1×4÷2=2㎠
  • △ECD=5×6÷2=15㎠
より、三角形AEDの面積は 31.5-2-15=14.5㎠

⑵ 台形ABCDの面積が20㎠であるとき、(ア,イ,ウ) の値の組合せとして考えられるのは何通りか答えなさい。

 

右矢印 台形ABCD=(ア+ウ)×(4+イ)÷2=20 より (ア+ウ)×(4+イ)=40

さいころの出目なので ア+ウは2以上12以下の整数、4+イは5以上10以下の整数。ここから積が40になる組合せをさがすと次の3パターンがある。

 ①ア+ウ=4、4+イ=10のとき

 ②ア+ウ=5、4+イ=8のとき

 ③ア+ウ=8、4+イ=5のとき

 

それぞれ考えると

 ①イ=6。アとウの組合せは(1,3)(2,2)(3,1)の3通り

 ②イ=4。アとウの組合せは(1,4)(2,3)(3,2)(4,1)の4通り

 ③イ=1。アとウの組合せは(2,6)(3,5)(4,4)(5,3)(6,2)の5通り

以上の合計で12通り

⑶ 𝓧の大きさが90°となるとき、(ア,イ,ウ) の値の組合せとして考えられるのは何通りか答えなさい。

 

右矢印 𝓧の大きさが90°となる」のは△ABEと△ECDが相似のとき。このとき、下の図において+=90°という関係にあるため。

BE=4㎝と決まっているので、ABの長さ(ア)で場合分けをして考える。

それぞれの場合で条件をみたす(6以下の)イとウの組合せを(イ,ウ)の形で考えると

  1. ア=1㎝のとき…辺の比が1:4となるのは(1,4)だけで1通り
  2. ア=2㎝のとき…辺の比が2:4→(1,2)(2,4)(3,6)の3通り
  3. ア=3㎝のとき…辺の比が3:4→(3,4)だけで1通り
  4. ア=4㎝のとき…辺の比が4:4→(1,1)(2,2)(3,3)(4,4)(5,5)(6,6)の6通り
  5. ア=5㎝のとき…辺の比が5:4→(5,4)だけで1通り
  6. ア=6㎝のとき…辺の比が6:4→(3,2)(6,4)の2通り

以上の合計で14通り 完了