場合の数いろいろ④ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

いろいろ応用がききそうな場合の数の出題例としてほかに次のようなものもあります。

 

  部屋決め(晃華学園2020第2回)

 

洋室と和室の2部屋があります。Aさん、Bさん、Cさんの3人がこの2部屋に入る方法は何通りあるか求めなさい。ただし、どちらの部屋にも少なくとも1人は入るものとします。

 

右矢印 ぜんぶの部屋の入り方を考えると、Aさんは洋室か和室かで2通り、Bさんは洋室か和室かで2通り、Cさんは洋室か和室かで2通り。これらは同時に起きるからぜんぶで2×2×2=8通りある。

 

ただし「どちらの部屋にも少なくとも1人は入る」から、3人とも洋室に入る場合の1通りと3人とも和室に入る場合の1通りをここから引いて 6通り

 

 

  サイコロの出目(法政二中2019)

 

大小2つのサイコロを同時に投げるとき、出る目の和が6の約数、または出る目の積が6の約数となる目の出方は全部で何通りですか。

 

右矢印 6の約数は1,2,3,6。和と積に分けて考える。

  1. 和が1になることはない。2になる組は(1,1)、3になる組は(1,2)、6になる組は(1,5)(2,4)(3,3)。グレーの組をのぞくと逆もあるので 2+3×2=8通り
  2. 積が1になるのは(1,1)だがもう数えたのでなし。2になる(1,2)も数えたのでなし。3になるのは(1,3)、6になるのは(1,6)(2,3)。すべて逆もあるので 3×2=6通り
以上の合計で14通り
 
 

  重複組み合わせ(江戸川女子2022算数)

 

見分けのつかないあめ玉が全部で4個あります。このあめ玉を余りが出ないようにA、B、Cの3人に分けると、分け方は□通りです。ただし、あめ玉をもらえない人がいてもいいことにします。

 

右差し 受験者正答率35.7%(学校発表)の問題です。


右矢印 「見分けのつかないあめ玉」4個をまず3つの組に分ける。その分け方は
(4、0、0)(3、1、0)(2、2、0)(2、1、1)

の4パターンあり、それぞれ何通りあるか考える。

  1. (4、0、0)…A、B、Cの誰が4コもらうかで3通り
  2. (3、1、0)…3コもらう人の決め方が3通り、1コもらう人の決め方が2通りある(残りの1人はもらえないことが自動的に決まる)ので3×2×1=6通り
  3. (2、2、0)…A、B、Cの誰が0コになるかで3通り
  4. (2、1、1)…A、B、Cの誰が2コになるかで3通り

以上の合計で15通り

 

別解

あめ4コを3つの組に分ける(0コの組があってもよい)と考えて、あめ4コ(〇〇〇〇)と仕切り2つ(||)の並べ方を考える。

左からA、B、Cとする。たとえば「Aが1コ、Bが0コ、Cが3コ」→「〇||〇〇〇」のようになる。

このとき、ぜんぶで6つある場所から仕切りをおく場所2つを選ぶ選び方と考えることができるから 6×5÷2=15通り

 

 

  3つの数の組み合わせ(神戸国際中2021C)

 

 9枚のカードに、1から9までの整数を1枚ごとに1つずつ書きました。この9枚のカードから3枚取り出すとき、次の各問いに答えなさい。
⑴ 3枚のカードに書かれている数の合計が15になる方法は何通りあるか求めなさい。

 

右矢印 「3枚のカード」を数が大きい方から並べて(順に大、中、小とする)考える。

  1. 大が9のとき…951、942の2通り
  2. 大が8のとき…861、852、843の3通り
  3. 大が7のとき…762、753の2通り
  4. 大が6のとき…654の1通り

大が5以下の場合はないので、以上の合計で8通り

 

⑵ 3枚のカードに書かれている数の積が15の倍数になる方法は何通りあるか求めなさい。

 

右矢印 「3枚のカードに書かれている数の積が15の倍数になる」ためには

  1. 1枚は必ず5を選ぶ必要がある
  2. 1枚は必ず3の倍数(3か6か9)を選ぶ必要がある
この2枚で15の倍数ができるので、残り1枚は何でもいい。
そこで2.をもとに、❶9を選ぶとき(95□)、❷6を選ぶとき(65□)、❸3を選ぶとき(35□)の順に考えていくと
  •  ❶9を選ぶとき(95□)…□は8、7、6、4、3、2、1の7通り
  •  ❷6を選ぶとき(65□)…□は8、7、4、3、2、1の6通り(□=9は❶で数えた)
  •  ❸3を選ぶとき(35□)…□は8、7、4、2、1の5通り(□=9は❶で、□=6は❷で数えた)
より、7+6+5=18通り
 

⑶ 3枚のカードに書かれている数の最も大きいものと最も小さいものの差が3になる方法は何通りあるか求めなさい。

 

右矢印 「3枚のカード」を数が小さい順に並べて考える。真ん中の大きさの数を㊥とすると、3枚のカードの取り出し方は

 1㊥4、2㊥5、3㊥6、4㊥7、5㊥8、6㊥9

の6通り。このときの㊥の選び方は、「1㊥4」なら2か3、「2㊥5」なら3か4、…のようにそれぞれ2通りずつあるから、ぜんぶで6×2=12通り 完了