以前の記事の続きです。
天びんを使った問題として、ほかに次のような問題も出されています。
違うおもりを見つける(和歌山信愛2018)
7つのおもりがあります。そのうち、6つは同じ重さで1つだけ他より重いことがわかっています。上皿天びんを使って他より重いおもりを見つけるとき、少なくとも□回はかれば、必ずそのおもりを見つけることができます。
次の方法が最短手順となる。
- どれか4コのおもりを取り出し、左右の皿に2コずつのせる(1回目)
- もし1.がかたむいたとき、下がった方の皿にある2コを左右の皿に1コずつのせる(2回目)。ここで下がった方の皿にあるのが重いおもり
- もし1.がつり合ったとき、残り3コのうちどれか2コを左右の皿に1コずつのせる(2回目)。これもつり合ったら最後に残った1コが重いおもり、これがかたむいたら下がった方の皿ににあるのが重いおもり
ということで、どの場合でも2回はかれば必ず重いおもりを見つけることができる。
重さの比を当てる(桜美林2022第3回)
〇、△、ロの3種類のおもりがあります。これらのおもりを下の図のようにてんびんにのせると、つり合いました。このとき、〇のおもり1個と口のおもり1個の重さの比を最も簡単な整数の比で答えなさい。
左を天びん①、右を天びん②とする。
- 天びん①と左の皿をそろえるため、天びん②の両方の皿に△を一つずつのせる(このときも当然つり合う)。すると天びん②の右の皿は△△△▢▢(これを「△×3+▢×2」のように表す)となる。
- これが天びん①の右の皿と同じ重さだから、△×3+▢×2=▢×3 より ▢=△×3…❶
- 天びん①の右の皿を❶を使っておきかえると 〇+△=△×9 より 〇=△×8…❷
よって❶❷より「〇のおもり1個と口のおもり1個の重さの比」は△×8:△×3=8:3
重さを当てる(東洋英和2021)
形が異なる5種類のおもりがあります。それぞれの重さは、1g、 2g、3g、4gのいずれかで、そのうちの2種類は同じ重さです。図のようにおもりを天びんにのせたとき、すべてつり合いました。5種類のおもりの重さをそれぞれ求めなさい。
左上を天びん①、右上を天びん②、下を天びん③とする。
- 天びん③と左の皿をそろえるため、天びん①の両方の皿に◺を2つずつのせる(このときも当然つり合う)。すると天びん①の右の皿は◺◺□⬠(これを「◺×2+□+⬠」のように表す)となる。
- これが天びん③の右の皿と同じ重さだから、◺×2+□+⬠=□+⬠+〇 より ◺×2=〇。となるとおもりの重さは「1g、 2g、3g、4gのいずれか」なので〇は2gか4gのどちらかだが、〇=4gだと天びん②がつり合わなくなるから 〇=2gに決まる。
- また◺=1gも決まる。
- これと天びん②より ⬠=3g
- これと天びん①より ⎔=□+3 となり ⎔=4g、□=1g とすべて決まる。