以前の記事の続きです。
天びんを使った問題として、ほかに次のような問題も出されています。
重さ当て①(品川女子2018算数)
重さの異なる5つのおもりA、B、C、D、Eがあります。おもりの重さは1g、2g、3g、4g、5gのどれかだということはわかっています。てんびんを使ってそれぞれの重さの関係を調べたところ、下の図のようになりました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20221104/21/jukensansuwa/c3/14/p/o1541046415198220422.png?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20221104/21/jukensansuwa/f3/12/p/o0711042315198220453.png?caw=800)
⑴ 5gのおもりはA〜Eのうち▢です。
左上から順に天びん①、天びん②、天びん③とすると
天びん①②より、B=C+D=A+Eという重さの関係にある。A、B、C、D、Eは「重さの異なる5つのおもり」であり「重さは1g、2g、3g、4g、5gのどれか」なので、この式をみたすのはBが5gのときだけなので B
⑵ 3gのおもりはA〜Eのうち▢です。
天びん③よりAは4gと決まる(Aが3g以下だとC+Eがこれより軽くなるということはありえない)。またC+E=3gと決まるから、CとEは1gか2gのどちらか。
よって3gのおもりは残った D
重さ当て②(早稲田佐賀2022B)
1gのおもりが4個、2gのおもりが1個、3gのおもりが1個、4gのおもりが1個、あわせて7個のおもり、ア〜キがある。これらのおもりを天びんにのせたところ、【図1】〜【図3】のようになった。ア〜キの中で、4gのおもりは▢である。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20221104/12/jukensansuwa/b1/1a/p/o1365060715197981453.png?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20221104/12/jukensansuwa/db/5a/p/o0593061015197981480.png?caw=800)
まず図2に注目する。右側のおもり(ア・ウ・キ)のどれか1つが4gだとすると、残り2つは最低でも1gと1gなので右側の合計は最低でも6gとなる。しかし「1gのおもりが4個、2gのおもりが1個、3gのおもりが1個、4gのおもりが1個」なので、このとき左側の重さ(イ+力)は最大でも3gと2gで5gにしかならず、これだと条件に合わない。
つぎに図3に注目する。右側のおもり(ウ・エ・力)のどれか1つが4gだとすると右側の合計は最低でも6gとなるのに、左側の合計(イ+オ)は最大でも3+2=5gにしかならず、条件に合わない。
したがって、ア・ウ・エ・力・キは4gではないので、4gはイかオ。
最後に図1に注目する。もしイの方が4gだとすると右側は最低でも6gとなるが、左側の合計(ア+ウ+オ)は最大でも3+2+1=6gにしかならず、これだと条件に合わない。
よって、4gのおもりはオ
量れる重さ(三田国際2019)
上皿天びんを使って次のような2つの方法で重さを量ることを考えます。量る重さは1gきざみとし、できるだけ少ない分銅でできるだけ多くの場合の重さを量れるようにします。
(方法1)
左の皿には量る物だけをのせ、右の皿には分銅をのせる。
例 2個の分銅を使用するとき
1gと2gの分銅を使用すると、1g、2g、3gの重さが量れる。
3個の分銅を使用するとき
1gと2gと4gの分銅を使用すると、1gから7gまですべての重さが量れる。
⑴ 4個の分銅を使用するとき、1g、2g、4gの他に何gの分銅が必要ですか。
「1g、2g、4g」の3コだと合計7gまでしか量れない。これを「できるだけ多くの場合の重さを量れるように」するには、4コめとして8gの分銅が必要
*2進法で右から1の位、2の位、4の位、8の位となるのに対応している。
⑵ 7個の分銅を使用するとき、何gまで量ることができますか。
同じように考えると、5コめの分銅が16g、6コめが32g、7コめが64gの分銅を使うこととなるから、64+32+16+8+4+2+1=127g
*7ケタの2進数1111111=10進数の127であるのに対応している。
(方法2)
左の皿には量る物の他に分銅をのせてもよい。また、右の皿には分銅をのせる。
例 2個の分銅を使用するとき
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20221029/08/jukensansuwa/df/50/j/o1892067715194990239.jpg?caw=800)
このように1gと3gの分銅を使用すると、1gから4gまですべての重さが量れる。
⑶ 3個の分銅を使用するとき、1g、3gの他に何gの分銅が必要ですか。
「できるだけ多くの場合の重さを量れるように」するため、3個めの分銅はできるだけ重いものにする必要がある。その一方で、いまある2コでは1+3=4gまでしかつくれないので、5gの重さが量れるものであることが必要。
それにはいま量れる最大の重さである4gを左の皿にのせたときに最小の重さである5gを量れるように9g(9-4=5g)の分銅が必要
*3進法で右から1の位、3の位、9の位となるのに対応している。
⑷ 4個の分銅を使用するとき、何gまで量ることができますか。
小問⑶の3コの分銅だと1+3+9=13gまでしか量れないので、4個めにはこの13gを左にのせたときに14gを量れる27g(27-13=14g)の分銅が必要。
このとき量れる最大の重さは、4コとも右にのせたときで 27+9+3+1=40g
*4ケタの3進数1111=10進数の40であるのに対応している。