以前の記事の続きです。
信号待ちのある旅人算の問題として、ほかにも次のような出題例があります。
信号待ちのある旅人算(和歌山信愛2018B)
駅から学校まで1080mの道路があります。この道路には下の図のように270mごとにA、B、C 3つの信号機があります。これらの信号機は8時ちょうどに同時に青色になり、その40秒後に同時に赤色になります。さらにその40秒後には同時に青色になるように、40秒ごとにくり返し変わります。
美央さんは8時ちょうどに駅を出発し、時速3.6㎞で歩いて学校に向かいました。このとき、次の問いに答えなさい。
⑴ 美央さんは、学校に着くまでにどの信号機のところで待ちますか、記号で答えなさい。
美央さんは「8時ちょうどに駅を出発」して時速3.6㎞=分速60m=秒速1mで歩く。このあと、それぞれの信号に何秒後に着くか考えていく。
信号A
270m先のAに着くのは270秒後。一方「信号機は8時ちょうどに同時に青色になり、その40秒後に同時に赤色に」なるというように「40秒ごとにくり返し変わ」るから、8時から数えると、赤の時間は40~80秒後、120~160秒後、200~240秒後、280~320秒後なので、Aでは待たない。
ここで赤の時間は40秒の周期で(40×奇数)秒後からはじまることに気づく。
信号B
540m先のBにつくのは540秒後。40×13=520より、520~560秒後は赤なので、Bで20秒待つこととなる。
信号C
810m先のCにつくのは810+20=830秒後。40×19=760、40×21=840より、赤の時間(760~800秒後、840~880秒後)にはぶつからず、Cでは待たない。
よって、美央さんが待つのは B の信号機
⑵ 美央さんが学校に着く時刻は8時何分何秒ですか。
「駅から学校まで1080m」の距離を、美央さんは分速60mで歩くので、歩く時間は1080÷60=18分間。
ここにBの信号で待つ20秒間を足すと、「8時ちょうどに駅を出発」した美央さんが学校に着く時刻は8時18分20秒
⑶ 愛さんは8時ちょうどに学校を出発し、時速10.8kmで走って駅に向かいました。美央さんと愛さんが出会う時刻は8時何分何秒ですか。
愛さんは「8時ちょうどに学校を出発」して時速10.8㎞=分速180m=秒速3mで歩く。このあと、それぞれの信号に何秒後に着くか同じように考えていく。
信号C
270m先のCに着くのは90秒後。赤の時間(40~80秒後、120~160秒後)にはぶつからず、Cでは待たない。
信号B
540m先のBにつくのは180秒後。赤の時間(120~160秒後、200~240秒後)にはぶつからず、Bでも待たない。
信号A
810m先のAにつくのは270秒後。ちょうど同じ270秒後に美央さんもAに着く。
よって、美央さんと愛さんが出会うのは2人が出発して270秒後=4分30秒後の 8時4分30秒
踏切待ちのある旅人算(茗渓学園2020)
ある日メイさんは、家からショッピングモールへ歩いて買い物に行きました。家とショッピングモールの間にはふみ切があります。ふみ切はメイさんの家からショッピングモールに向かって1200mの地点にあります。このふみ切では、8分間の開いていて通れる時間と、2分間の閉まっていて通れない時間があり、それが規則的にくり返されます。メイさんは、10時ちょうどに家をでて、途中ふみ切で2分間止まり、その後ショッピングモールに着きました。メイさんの姉は、10時23分に自転車で家を出発し、時速12kmの速さで向かったところ途中のふみ切で止まることなく、10時35分にショッピングモールに着きました。次の各問に答えなさい。
⑴ 家からショッピングモールまでの距離は何mですか。
「メイさんの姉は、10時23分に自転車で家を出発し、時速12kmの速さで向かったところ途中のふみ切で止まることなく、10時35分にショッピングモールに」着いたことから、家からショッピングモールまでは時速12㎞の自転車で12分=⅕時間かかる距離なので
12×⅕=2.4㎞ より 2400m
⑵ 10時32分に姉がメイさんに追いつきました。メイさんの歩く速さは毎分何mですか。
姉が追いついたのは自転車で(ショッピングモールまで12分かかるうち)9分走ったところなので家から1800m(=2400m×⁹⁄₁₂)の距離。
ここまでメイさんは30分(=32分-2分)で歩いてきたから、
1800m÷30分=毎分60m
⑶ メイさんは、母に、メイさんがショッピングモールに着いてからちょうど40分後にショッピングモールを出られるように迎えに来てほしいと伝えました。母は約束の時間に間に合うよう、11時[(ア)]分に自動車で家を出て、時速36㎞でショッピングモールに向かいました。このとき、(ア)に入る整数の中で最も大きい数を答えなさい。
姉がメイさんに追いついたのは10時32分でショッピングモールまであと600mの地点。となるとメイさん(毎分60m)がショッピングモールに着くのは10時42分。
母が到着しないといけない時間は「メイさんがショッピングモールに着いてからちょうど40分後」なので 11時22分。
母の自動車は時速36㎞=分速600mで進むから、車で走る時間は2400÷600=4分。したがってもし踏切で止まらないなら11時18分に家を出れば間に合う。
ここで踏切がいつ閉まるか(踏切の周期)を考える。
踏切がいつ閉まるか(踏切の周期)
「メイさんは、10時ちょうどに家をでて、途中ふみ切で2分間」止まった。踏切は1200m地点にあるから、メイさんの到着時刻は(1200÷60=20より)10時20分。踏切には「8分間の開いていて通れる時間と、2分間の閉まっていて通れない時間」があるから、10:20-10:22が「通れない時間」だと分かる。となると、このあと踏切が閉まる時間は
10:30-10:32 10:40-10:42 10:50-10:52
11:00-11:02 11:10-11:12 11:20-11:22
という10分の周期をくり返す。
そして母がもし11時18分に自動車(分速600m)で家を出ると、1200m地点にある踏切に11時20分に着くが、このとき踏切はちょうど閉まったところなので、これだと踏切で2分待つことになる(約束の時間に遅れてしまう)。
よって母は11時18分より前に家を出ないといけない。11時17分59秒でも大丈夫だが、アには「整数の中で最も大きい数」が入るから(秒は切り捨てて)11時17分に家を出ることとなる(これだと踏切が閉まる1分前の11時19分に踏切を通過でき止まらないでに済む)ので ア=17