以前の記事の続きです。
三角数は三角形、四角数は四角形に数字が並べられた問題になっていることが多いですが、いつもそうなっているわけではありません。三角形なのに四角数の問題というのもあります。
たとえば次のような問題です。
三角形の四角数①(清風中2022)
上の図のように、三角形の中に1から順番に数を並べます。
例えば、上から3段目には左から順に5、6、7、8、9の5個の数があります。
⑴ 上から8段目には何個の数がありますか。
それぞれの段の終わりが四角数になっているので、上から8段目までに8×8=64コ、上から7段目までに7×7=49コあるから
64-49=15個
⑵ 上から12段目の左から19番目にある数を答えなさい。
まず上から11段目までに11×11=121コの数があるから「上から12段目」は122からはじまる。
その19番目なので 122+19-1=140
⑶ 2022は、上から何段目の左から何番目にありますか。
まず「2022」以下の平方数でいちばん大きいものを探すと 50×50=2500、45×45=2025、44×44=1936 が見つかる。
よって、上から44段目までに1936コあるから(45段目までいくと2025コになってしまうから)2022は 上から45段目にある。
そして45段目は1937からはじまるので 2022-1937=85 より 左から86番目
⑷ ある段の1番左にある数と1番右にある数の差が2022となりました。その段は上から何段目ですか。
「ある段の1番左にある数と1番右にある数の差が2022」のとき、その段には2023コの数がある。
そしてこの表の1段目には1コの数、2段目には3コの数、3段目には5コの数…というように、▢段目には (▢×2-1)コの数がある。
よって、▢×2-1=2023を解くと ▢=1012より 上から1012段目
三角形の四角数②(文教大学付属中2021)
大きさが同じである、赤、青、黄3色の正三角形のタイルがたくさんあります。これらのタイルを、下の図のような形に、赤、青、黄の順で1段目から、各段の左はしが必ず赤になるようにすきまなく並べていきます。このとき、次の各問いに答えなさい。
⑴ 5段目の右はしまでタイルを並べると、1段目から5段目までに並ぶタイルは全部で何枚になりますか。
1段目が1枚、2段目が3枚、3段目が5枚と奇数が小さい順に並ぶので、その和は四角数となる(▢段目までの和は▢×▢になる)。
よって「1段目から5段目までに並ぶタイル」の枚数は5の平方数で 25枚
⑵ 1段目から数えて100枚目のタイルは何段目にあり、何色ですか。
100=10×10より「100枚目のタイル」は10段目の右はしのタイル。
10段目にあるタイルの枚数は、小さい方から10番目の奇数になるから 2×10-1=19枚。
これが左から「赤、青、黄の順で」3枚の周期で並ぶから、その右はしの色は
19÷3=6あまり1より 赤色
⑶ 1段目から数えて350枚目のタイルを並べ終えたとき、黄色のタイルは全部で何枚並んでいますか。また、どのように求めたか、その過程もかきなさい。
全部のタイル枚数なら平方数の知識があれば簡単に出せますが、「黄色のタイル」の枚数の合計となるとそうはならず(段ごとにリセットされて「各段の左はしが必ず赤になる」から)、工夫して数える必要があります
まず「350」以下の平方数でいちばん大きいものは 18×18=324。
なので、タイル350枚を18段目までの324枚と、19段目の左はしから26枚とに分けて考える。
1~18段目
1段目はタイル1枚(赤)なので黄色は0枚、2段目はタイル3枚なので黄色は1枚、3段目はタイル5枚のうち黄色は1枚、4段目は黄色2枚、5段目も黄色2枚…と数えていってもすぐに見つかるような規則性はない(ここまでの結果から011223344…という規則性だなどと考えると痛い目にあう)。これで18段目まで数え上げるのは時間も手間も相当かかるのでひと工夫したいところ。
そこで18段(タイル324枚)の三角形全体を左に60°回してみる。
この新しい三角形の横の列を下から順に18列、17列、16列…とすると、
18列に赤18枚と青17枚、17列に黄17枚と赤16枚、16列に青16枚と黄15枚…となっている。
これならきれいな規則性があり、表にすると次のようになる
よって、ここまでの黄色のタイルは102枚
19段目
19段目の26枚目(=350-324)までタイルを並べることになる。
19段目の左はしから26枚が「赤、青、黄の順で」3コの周期で並ぶから、ここにある黄色のタイルは
26÷3=8 あまり2 より8枚
以上を合計して、黄色のタイルは全部で110枚