以前の記事に関連する話です。
面積を求めるテクニック(辺の比と面積比、隣辺比、相似比と面積比など)をいろいろ習得していくと、どうしてもこうしたテクニックにまっ先に走りがちです。
しかしたとえば三角形の面積問題の場合、難しそうに見えるときでも(そういうときこそ)基本に立ち返って「底辺×高さ÷2」で求められないかをまず考える姿勢が大切で、これが最速・最適な解法だったということも少なくありません。
たとえば次の問題。
その1(法政二中2020)
図のように1辺が1㎝の正方形が6個あります。色のついている部分の面積は何㎠ですか。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230115/20/jukensansuwa/ea/a8/p/o1701122315230339468.png?caw=800)
色のついている部分の右側のたてにまっすぐな辺を底辺とみると
- 底辺…1+⅓=⁴⁄₃㎝
- 高さ…これと相似な三角形(下図左側の青)との底辺の比が⁴⁄₃:⅓=4:1より、その高さは1㎝×⅘=⅘㎝
よって ⁴⁄₃×⅘÷2=⁸⁄₁₅㎠
その2(中央大学附属2022第2回)
長方形ABCDがあります。図の斜線部分の面積は何㎠ですか。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230115/17/jukensansuwa/60/48/j/o1432089215230261461.jpg?caw=800)
青の三角形アから赤の三角形イを引いて求める。
- アの面積…底辺6㎝、高さは(下図の青い三角形どうしの相似比6:5より)AB×⁶⁄₁₁=³⁶⁄₁₁㎝ なので 6׳⁶⁄₁₁÷2=¹⁰⁸⁄₁₁㎠
- イの面積…底辺6㎝、高さは(下図の赤い三角形どうしの相似比6:10より)AB×⁶⁄₁₆=⁹⁄₄㎝ なので 6×⁹⁄₄÷2=²⁷⁄₄㎠
よって¹⁰⁸⁄₁₁-²⁷⁄₄=⁴³²⁄₄₄-²⁹⁷⁄₄₄=¹³⁵⁄₄₄㎠
その3(灘2023)
図のように四角形ABCDの辺上に点E、F、G、Hがあります。このとき、四角形EFGHの面積は□㎠です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230115/16/jukensansuwa/f8/7a/j/o1314102315230220124.jpg?caw=800)
次のようにEDとFCに補助線を引く。新しくできた4つの三角形をア、イ、ウ、エとすると、四角形EFGHの面積は台形ABCDからア、イ、ウ、エの面積を引くことで求められる。
- アの面積…ADを底辺とみると高さは(AB:AE=5:1より)CD×⅕=0.8㎝ → 面積は2×0.8÷2=0.8㎠
- エの面積…BCを底辺とみると高さは(AB:FB=5:2より)CD×⅖=1.6㎝ → 面積は5×1.6÷2=4㎠
- イの面積…DHを底辺とみると高さは(下図のように左右に分けると)左側が3㎝×⅕=0.6㎝、右側が2㎝なので合計2.6㎝ → 面積は 2×2.6÷2=2.6㎠
- ウの面積…GCを底辺とみると高さは(下図のように)1.8㎝+2㎝=3.8㎝ → 面積は 1×3.8÷2=1.9㎠
よって、台形ABCDの面積は (2+5)×4÷2=14㎠ なので、求める四角形EFGHの面積は
14-(0.8+4+2.6+1.9)=4.7㎠ ![完了](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/522.png)
![完了](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/522.png)