以前の記事の続きです。
隣辺比と面積(国府台2020推薦)
下の図の三角形ABCは、AB=ACの二等辺三角形です。三角形EMGの面積が8㎠のとき、三角形ABCの面積は▢㎠です。ただし、同じ印がついた線分の長さは等しいとします。
どうしても「8㎠」という情報に引きずられてまっ先にこれを使いたくなりますが(そのためか受験生正答率も20%以下だった(学校発表))これは最後に使います。
△ABCの面積を1とすると、隣辺比と面積比の関係より、
△AEG=⅔×⅔=⁴⁄₉ △BME=△CGM=½×⅓=⅙
よって △EMG=1-(⁴⁄₉+⅙+⅙)=²⁄₉。
これが8㎠なので △ABC=8㎠÷²⁄₉=36㎠
隣辺比と「辺の比と面積比」(東邦大付東邦中2021)
下の図において、三角形ABCと三角形BDEの面積は等しく、AE=2㎝、EB=3㎝、BC=4㎝です。また、辺ACと辺DEの交わる点をPとします。このとき、次の問いに答えなさい。
⑴ CDの長さを求めなさい。
隣辺比と面積比の関係よりAB×BC=BE×BDなので
5×4=3×BD BD=²⁰⁄₃㎝
よって CD=BD-BC=²⁰⁄₃-4=⁸⁄₃㎝
⑵ AP:PCの比を最も簡単な整数の比で求めなさい。
補助線BPを引く。△AEP=②とすると△EBP=③(辺の比と面積比の関係より)
また△ABC=△BDEより、共通する四角形EBCPを引いても面積は等しい(過去記事「つけたし」参照)ので△PCD=△AEP=②
さらに辺の比と面積比の関係より、
BC:CD=4:⁸⁄₃=△PBC:②
内項の積=外項の積より △PBC=⑧÷⁸⁄₃=③
あとは△APB=⑤、△PCB=③となっているから、辺の比と面積比の関係より
AP:PC=5:3
相似比と隣辺比(明治大学付属明治2021)
右の図のように、平行四辺形ABCDがあります。
4点E、F、G、Hはそれぞれ辺AB、BC、CD、DA上にあり、AEの長さは4㎝、BFの長さは6㎝、CGの長さは10㎝、DHの長さは2㎝です。また、EFとGHは平行で、ACとFGは点Iで交わっています。三角形EBFと三角形ABCの面積の比が27:65のとき、次の各問いに答えなさい。
⑴ DGの長さは何㎝ですか。
「EFとGHは平行」だから、△EBFと△GDHは相似(3つの角が同じ)。その相似比はBF:DH=3:1なので、BE=③、DG=①とおける。この差②が6㎝(=CG-AE)だから ①=3㎝。
よって DG=3㎝
⑵ CFの長さは何㎝ですか。
「三角形EBFと三角形ABCの面積の比が27:65」と辺の比と面積比の関係より
△EBF:△ABC=(9×6):(13×BC)=27:65
内項の積=外項の積より 13×27×BC=54×65 BC=10㎝
よって CF=4㎝
⑶ 平行四辺形ABCDの面積は三角形IFCの面積の何倍ですか。
いったん逆にして「△IFCの面積は平行四辺形ABCDの面積の何倍か」を考える。
❶△IFCの底辺(4㎝)は平行四辺形ABCDの底辺(10㎝)の²⁄₅倍
❷あとは高さが何倍になっているかわかればよい。それにはCI:AIの比を利用する。
CI:AIの求め方にはお決まりのステップがあり、FGの延長線とADの延長線とが交わる点をPとしてできる相似な三角形2組を順に使うと、
①△FCGと△PDGは相似で相似比10:3より DP=4׳⁄₁₀=1.2㎝
②△FCIと△PAIは相似で相似比4:11.2より CI:AI=5:14
よって△IFCの高さは平行四辺形ABCDの高さの⁵⁄₁₉倍とわかる。
以上より、
△IFC=平行四辺形ABCDײ⁄₅×⁵⁄₁₉÷2=平行四辺形ABCD×¹⁄₁₉
と分かるから、平行四辺形ABCDの面積は三角形IFCの面積の19倍