3人の旅人算 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

3人が登場する旅人算もときどき出されます。2人の旅人算より当然、難易度も上がります。

たとえば次のような問題です。

 

P地点とQ地点の間をABCの3人がそれぞれ一定の速さで一往復します。3人が同時にP地点を出発してから、AとBは10分後に、AとCは12分後に、BとCは15分後にそれぞれ出会いました。AがP地点に着いたとき、BはP地点の手前360mのところにいました(大阪星光学院中2022)

⑴ AとBとCの速さの比を最も簡単な整数の比で表すと▢:▢:▢です。

 

右矢印 Aの速さをA、Bの速さをB、Cの速さをCとする。

速さの比はかかった時間の逆比。「AとBは10分後に、AとCは12分後に」出会ったことから

  (A+B):(A+C)=12:10=6:5…①

また「AとCは12分後に、BとCは15分後に」出会ったことから

  (A+C):(B+C)=15:12=5:4…②

 

①②より、A+B=6とすると、A+C=5、B+C=4という関係にあることが分かる。

この3つの式を足して2で割ると A+B+C=7.5。これを使うとC=1.5、B=2.5、A=3.5となるから

 A:B:C=3.5:2.5:1.5=7:5:3

 

 

⑵ P地点からQ地点までの距離は▢mで、Cの速さは分速▢mです。

 

右矢印 AとBの速さの比が7:5とわかったので、PQ間の距離を⑦とすると、AがP地点に着いたとき、PQ間を一往復したAは⑭の距離を進み、Bは⑩の距離を進む。この差④が360mなので、①=90m。

よって「P地点からQ地点までの距離」は90×7=630m

 

また「AとCは12分後に」出会ったこと、A:C=7:3であることから、Cの速さは

 1260÷12׳⁄₁₀=分速31.5m

 

 

⑶ AがP地点に着くまでに、AとCの間の距離とBとCの間の距離が等しくなるのは、P地点を出発してから▢分後です。あてはまる数をすべて答えなさい。

 

右矢印 「AとCの間の距離とBとCの間の距離が等しくなる」形としては、❶AとBが出会ったときと、❷Cの位置がAとBのちょうど真ん中にきたときの2回ある(A、B、Cとも一往復しかしないので3回以上はない)。

 

❶は簡単で問題文にある10分後。少しむずかしいのは❷で、受験算数でときどき使うテクニック(過去記事)をここでも使う。

❷Cの位置がAとBのちょうど真ん中にくるとき

AとBのちょうど真ん中をいつも進むMを考える。このMがCと出会う場所が「AとCの間の距離とBとCの間の距離が等しくなる」場所となり、これを求めればよい。

A:B:C=7:5:3(小問⑴)を使うとMの速さは6。つまりMはCのちょうど2倍の速さ。

そしてCは分速31.5m(小問⑵)だからMは分速63m。

このMとCがPQ間を一往復するときの出会い算を考えればよいから

  1260÷(31.5+63)= ⁴⁰⁄₃分後

 

よって10分後と⁴⁰⁄₃分後 完了