正六角形の入試問題 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事に関連する話です。

 

面積問題で、円や正方形とならんで人気があるのが正六角形です。対角線を3本引くと中に正三角形が6コできるという性質を利用する問題が多い印象ですが、次のような少し違った切り口(本質の部分は一緒ですが)からの問題もあります。

 

下の図は、面積が60㎠の合同な正六角形をいくつかつなぎ合わせたものです。(青山学院2022年)

⑴ 図1の色のついた部分の面積は▢㎠です。

 

右矢印 右の正六角形のなかにある三角形(赤)を左の正六角形に等積移動させる(青)とちょうど正六角形の半分になるから 30㎠

 

 

 

⑵ 図2の色のついた部分AとBの面積の差は▢㎠です。

 

右差し こういう「AとBの面積の差」を求める問題では(AとBをバラバラに求めてその差を出すのではなく)「A-B」の形でまとめて考えるのが定石です。本問でも、いきなりこの形で出すことは難しいですが、結果的にこの形で出てきます。

 

右矢印 下の図2の㋐と㋑とAとBの和が正六角形の3コ分で180㎠。

ところで㋐は上の図1の★からBを引いた形、㋑もその裏返しの合同なので、

 ㋐+㋑+A+B=(★-B)+(★-B)+A+B=★×2+A-B=180㎠

 

ここで★の形2コを互い違いにくっつけるとちょうど正六角形2コの形になるから ★×2=120㎠

よってA-B=180-120=60㎠ 完了