植木算の出題パターン | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

以前取り上げた「リングつなぎ」のように木が登場しない植木算もありますが、木が登場する植木算もまだまだ数多く出題されています。今回はそういうベーシックな植木算について問題パターンごとに取り上げてみました。

 

  オリジナルの植木算(和歌山信愛中2021)

 

▢mの道に、はしからはしまで10m間かくで木を植えると、木は12本必要です。

 

右矢印木は12本必要」であることから木の間隔は11コあることとなり

 10m×11=110m

 
横一列に植えるふつうの植木算では、木の間隔に注目するのがポイントで、木の数=間隔の数+1となるのが原則です。ただ、問題設定によってはこの「+1」が「-1」となったり「0」となったりするため、これを公式としてそのままおぼえておくのは混乱のもとになります。それよりは簡単な例を一つだけおさえておくこと、たとえば「道の長さ6m、間隔2mのとき木は4本」の図だけおぼえておくのがオススメです。

 

  池の周りの植木算(国府台2021)

 

半径▢mの円形の池の周りに40㎝おきに旗を立てたところ、ちょうど157本で池を一周しました。
(円周率は3.14とします。)

 

右矢印 旗が「157本で池を一周」したのであれば間隔の数も157コなので、池の周りの長さは

 40㎝×157÷100=62.8m

よって池の半径は62.8÷3.14÷2=10m

 
池の周りに植えるときはそのまま木の数=間隔の数となります。こちらも「池の周りの長さ6m、間隔2mのとき木は3本」のイメージだけおぼえておくと混乱はふせげるはずです。
なお、この問題の受験生正答率80~50%となっています(学校発表)。

 

  長方形の植木算(慶應義塾湘南藤沢2022)

 

たてが24m、横が33mの長方形の形をした土地の周上に、等間かくに木を植える。木の本数をできるだけ少なくしたとき、植える木の本数は何本ですか。ただし、長方形の4つの頂点の場所には必ず木を植えるものとします。

 

右矢印まず「長方形の4つの頂点の場所には必ず木を植える」ことからまずかどに4本を植える。

その間の部分について考えると、24mと33mの最大公約数である3m間隔としたときに木の本数は最小になる。このとき横33mには11コの間隔ができるので12本必要だが、両端はすでに植えたので残り10本必要。これが上下2か所にあるから横で20本必要。

 

たて24mには8コの間隔ができるので9本必要だが、両端をのぞくと残り7本必要。これが左右2か所にあるからたてで14本必要。

 

以上の合計で4+20+14=38本

 

 

  2種類の木を植えるもの(富士見中2021)

 

80mの道のはしからはしまで11本の桜の木を等しい間隔で植え、桜の木と桜の木の間には2mおきにつつじの木を植えることにします。このとき、つつじの木は▢本必要になります。


右矢印 11本の木を植えるときは10コの間隔ができるから「80mの道」なら1つの間隔は8m。

そして間隔8mの桜の木の間に2mおきにつつじの木を植えるときは(両端は植えないので)3本を植えることになる。

よって「つつじの木」は3×10=30本必要

 

  逆比を使うもの(桜美林2022)

 

円形の池の周りに、桜の木を等間隔に植えます。5mごとに植えるとき、7mごとに植える時よりも32本多く桜の木が必要です。池の周りは何mありますか。

 

右矢印 池の周りの長さが一定のとき、必要な木の数は植える間隔の逆比なので

 (5mのときの木の数):(7mのときの木の数)=⑦:⑤

この差②が32本なので①=16本。よって7m間隔だと16×5=80本必要ということになり、池の周りは7×80=560m 完了