以前の記事の続きです。
電球の点滅の問題は、周期算、仕事算、日暦算、集合算などの理解をまとめてきける効率のよい総合問題となりうること、なかでも日暦算や集合算などは上級者でも数え間違いをおかしやすいことなどから、今後出題がふえていくことが予想されます。
次のような問題です。
赤・青・緑の3つのランプがあり、2021年1月1日は赤・青・緑すべてのランプが点灯していました。以降、以下のように点灯・消灯を繰り返します。
赤いランプは 1日点灯すると2日消灯
青いランプは 1日点灯すると6日消灯
緑のランプは 1日点灯すると▢日消灯
また、2022年2月1日までの間に、赤・青・緑すべてのランプが点灯していたのは5日間でした。このとき、次の問いに答えなさい。(頌栄女子2022)
⑴ 赤と青のランプが両方点灯していたのは、2021年の間で何日間か求めなさい。
以下のすべての小問では、すべてのランプが点灯している2021年1月1日(初日)をはずした「2021年1月2日から数えて何日めに点灯するか」で考えるのがわかりやすい。こうすると赤は3の倍数日目、青は7の倍数日目に点灯することになります。
2021年1月2日から数えると2021年12月31日まで364日ある。
この期間中、赤は3の倍数日目、青は7の倍数日目に点灯するから、両方点灯するのは(3と7の最小公倍数の)21の倍数日目。これは
364÷21=17あまり7
より17回ある。
よって、初日と合わせると18日間
⑵ ▢に当てはまる1けたの整数を求めなさい。
「2022年2月1日までの間に、赤・青・緑すべてのランプが点灯していたのは5日間」という情報が大きなヒントなのはまちがいない。まずは赤と青だけで考えてみる。
小問⑴では赤と青のランプが両方点灯していた日数を2021年の間で求めたが、同じ考え方で「2022年2月1日までの間に」赤と青のランプが両方点灯していた日数を求めると
❶「赤・青・緑すべてのランプが点灯していたのは5日間」なので(初日をはずした)2021年1月2日から2022年2月1日までの396日間(=2022年1月1日までの365日+31日)だと4日間。
❷そして赤と青が両方点灯するのは21の倍数日目だから、3色すべて点灯するのももちろん21の倍数日目。これを使って小さい順に実験してみるのが確実。
もし3色すべて点灯するのが
①42の倍数日目だとしたら396日間で9日点灯することになりダメ
②63の倍数日目だとしたら6日点灯することになりやはりダメ
③84の倍数日目だとしたらうまく4日となり条件に合う。
④念のため105の倍数日目だとしたら3日となりやはりダメ
よって、3と7と▢の最小公倍数が84となるような▢を求めればいいとわかるから、▢は「1けたの整数」なので4。つまり、緑は(初日を含めないと)4の倍数日目で点灯していくということなので、それ以外の3日間が消灯日数となる。
よって▢=3
⑶ 2021年5月13日に点灯しているランプの色を答えなさい。なお、答えの求め方も説明しなさい。
すべてのランプが点灯している2021年1月1日をはずして「2021年1月2日から数えて何日目か」で考えたとき、赤は3の倍数日目、青は7の倍数日目、緑は4の倍数日目に点灯する。
そして2021年1月2日から数えて2021年5月13日は132日目(=30+28+31+30+13)。
赤…132÷3=44あまり0より、赤ランプは点灯
青…132÷7=18あまり6より、青ランプは消灯
緑…132÷4=33あまり0より、緑ランプは点灯
よって点灯しているランプは赤と緑
⑷ 2022年2月1日までの間で、赤・青・緑すべてのランプが消灯している日は何日間か求めなさい。
「赤・青・緑すべてのランプが消灯している日」は何日間かを考えるにあたり、その逆の赤・青・緑のどれかのランプが点灯している日は何日間かをまず考える。
ここでもやはり(すべてのランプが点灯している2021年1月1日をはずした)2021年1月2日から2022年2月1日までの396日間で考えるのがわかりやすいのでそうすると(以下の計算であまりは関係ないので商のみ記載)
❶1色が点灯…のべ287日
赤(3の倍数)…396÷3=132日
青(7の倍数)…396÷7=56日
緑(4の倍数)…396÷4=99日
❷2色が点灯…のべ65日
赤と青(21の倍数)…396÷21=18日
青と緑(28の倍数)…396÷28=14日
緑と赤(12の倍数)…396÷12=33日
❸3色が点灯…4日
84の倍数なので394÷84=4日
以上より、3色のどれかが点灯している日は❶-❷+❸で求められる(過去記事)から
287-65+4=226日
よって、赤・青・緑すべてのランプが消灯している日は396-226=170日間