学習教材に使わないのはもったいない入試問題(電球の点滅) | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

規則性の単元で「電球の点滅」などとよばれる問題があります。

いろいろ応用できる発想なので(後述)、次の問題などで基本的な考え方をおさえておきたいところです。

 

赤、青、白の3色の電球があります。同時にスイッチを入れると、赤の電球は5秒後に点灯して、その後5秒ごとに10秒後、15秒後、…と点灯します。青の電球は7秒後に点灯し、その後3秒ごとに点灯します。白の電球は4秒後に点灯し、その後7秒ごとに点灯します。下の表は、その様子を表したものです。このとき、次の各問に答えなさい。(東京成徳大学中2020)

⑴ 赤、青、白の電球のうち、25秒後に点灯している電球には〇を、点灯していない電球には×をつけなさい。

 

規則性の問題で、何らかの周期性が見つかるところまでこういう表を書いてみるというのは王道のアプローチといえます。

 

右矢印 25秒後までに点灯するところを取り出すと

 赤…5、10、15、20、25秒後

 青…7、10、13、16、19、22、25秒後

 白…4、11、18、25秒後

より、25秒後にはすべての電球が〇となる。

 

 

⑵ 同時に点灯する規則性について、一太くんと利子さんが次のように会話しています。会話の空らんに当てはまる数を答えなさい。
 一太くん「まず、赤と青の2色について考えてみよう。」
 利子さん「上の図より10秒後に同時に点灯した後、赤の電球は5秒ごと、青の電球は3秒ごとに点灯するので、秒ごとに同時に点灯していくのですね。」
 一太くん「同じように、青の電球は3秒ごと、白の電球は7秒ごとに点灯するので、青と白が同時に点灯した後は、秒ごとに点灯していくね。」
 利子さん「最初に同時に点灯した後は、点灯する間かくの倍数を考えれば簡単に求まります。赤、青、白の3色が同時に点灯した後は、それぞれ5秒後、3秒後、7秒後に点灯するので、秒ごとに点灯することも簡単に分かります。」

 

右矢印 それぞれ最小公倍数を考えればいいということを言っているので、赤と青は15秒ごと、青と白は21秒ごと、赤、青、白の3色は105秒ごとに点灯する。

 

 

⑶ 赤、青、白の電球が2度目に同時に点灯するのは何秒後ですか。また、3度目に同時に点灯するのは何秒後ですか。

 

右矢印 最初に点灯した後は、3つの最小公倍数である105秒ごとに同時に点灯するから、2度目に同時に点灯するのは130秒後、3度目に同時に点灯するのは235秒後 完了

 

 

この「電球の点滅」問題自体はそこまで出題頻度は高くないのですが、「5で割ると3余り、7で割ると2余る3桁の数で最大のものは▢です。」(須磨学園中2020)など同じ発想で解ける問題は数多く出題されています。
(たとえばこの問題なら「最初に同時に点灯するのは23秒後、そのあとは35秒ごとに同時に点灯する電球」のように考えて、▢=968が求まります。)