以前の記事の続きです。
立体図形の単元の一つに「かげ」があります。基本的には相似を使って解く問題なので、中身はどう考えても「平面図形」なのですが、なぜか立体図形の章におかれている不思議な単元です。
たとえばこういう問題です。
街灯から3.6m離れた位置に身長150㎝の星子さんが立っています。このとき、星子さんの影の長さは180㎝でした。次の問いに答えなさい。(神戸海星女子学院2021)
⑴ 街灯の高さは何mですか。
星子さんの頭から地面と平行に街灯まで補助線を引く。すると相似な直角三角形㋐と㋑ができる。その相似比は3.6m:1.8m=2:1なので、三角形㋐の高さは1.5m×2=3m。
これに星子さんの身長1.5mを足して「街灯の高さ」は4.5m
⑵ 星子さんの立っている同じ位置に身長180㎝の星子さんのお父さんも立ちました。このとき、星子さんのお父さんの影の長さは何㎝になりますか。
街灯の高さ4.5mがわかったところで、こんどはお父さんが同じ位置に立った図を書いてみる。すると直角三角形㋒の高さ2.7mとなり、これと相似な直角三角形㋓とは相似比2.7m:1.8m=3:2であることがわかる。
よって「星子さんのお父さんの影の長さ」は㋓のヨコの長さなので 3.6m×⅔=2.4m より240cm
⑶ ⑵で2人の立っている位置から同じ距離だけ、星子さんは街灯から離れ、お父さんは街灯に近づきました。すると、2人の影の長さが等しくなりました。星子さんが動いた距離は何mですか。
街灯からの距離3.6mのとき、影の長さはお父さんが2.4m、星子さんが1.8mとわかった。たとえば街灯からの距離を2倍の7.2mにすると、影の長さもお父さんが4.8m、星子さんが3.6mとそれぞれ2倍になる。
つまり街灯からの距離が同じとき、影の長さはいつもお父さん:星子さん=4:3となっている。とすると影の長さを同じにするには街灯からの距離はその逆比の3:4であることが必要。
そこでお父さんの街灯からの距離を⑥m、星子さんの距離を⑧mとすると、その真ん中の⑦m地点がちょうど3.6mのところにくるようにすればいい(この⑦地点から星子さんが①mだけ街灯から離れ、お父さんが①mだけ街灯に近づくと2人の影の長さが等しくなる)。
よって①=3.6m÷7=¹⁸⁄₃₅mより、星子さんが動いた距離は¹⁸⁄₃₅m