水そう問題② | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

水そう問題で、給水管や排水管の数が増えればそれだけ難度も上がっていくのがふつうです。
前回は給水管1+排水管1というパターンでしたが、今回取り上げるのは給水管2+排水管1のパターンです。

 

次の図のような直方体の水そうがあり、その内部は高さ12㎝の仕切りでAとBの2つの部分に分けられています。2つの部分には、それぞれ出る水の量が異なるじゃ口PとQがあり、Aの部分の底には排水口Rがあります。最初、水そうの中は空で、排水口Rは閉まっています。この状態から、じゃ口PとQを同時に開いて水を入れます。途中でじゃ口Qだけを閉め、水そうが満水になった時点で、じゃ口Pを閉めると同時に毎分3600㎤の割合で排水される排水口Rを開いて水をぬきます。下のグラフはAの部分における水の深さと水を入れ始めてからの時間の関係を表しています。このとき、あとの各問いに答えなさい。(逗子開成中2020)

⑴ 排水口Rから排水された水の体積を求めなさい。

 

B部分の底には際まで水が残るから、全体からB部分を引いたものを求めると

 40×90×20-40×30×12=40×(1800-360)=57600㎤

 

 

⑵ 下のグラフにおいて、じゃ口Qを閉じたのはC~Gの5つの点のうち、どの点のときですか。また、グラフのに入る数をそれぞれ求めなさい。

じゃ口Qを閉じたのはグラフがゆるやかになった点Eのとき。

排水口Rから排水された水の体積」57600㎤は「毎分3600㎤の割合で排水される」から、排水がおわるのに 57600÷3600=16分かかる。

よっては28分-16分=12分

また仕切りから上の容積と仕切りから下のAの部分の容積は、8×3600:12×2400=1:1なので、は排水をはじめてちょうど半分すぎたときで20分

 

⑶ じゃ口PとQを同時に開いて水を入れているとき、水そうにそそがれる水の量はPとQそれぞれ何㎤ですか。

 

はじめの6分で12㎝の高さになっているから、PとQの合計で3600×12÷6=毎分7200㎤。

仕切りから上にくると、6分から9分までの3分間で7200×3÷3600=6㎝上がるので、点Eの高さは18㎝。ここからPだけになると3分で高さ2㎝上がっている。上がる速さが⅓になっているから、P:Q=1:2。

よってPが毎分2400㎤Qが毎分4800㎤