食塩水の出題パターン別相性 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

食塩水の問題も要は正解できれば何でもいいわけで、天びん図(または面積図)もビーカー図もいつでも使えるように準備しておき、あとは問題との相性を見てその場で決めるということかと思います。

どれとの相性がいいかという視点から難しめの問題をいくつか取り上げます。

 

 

  天びん図との相性がいい問題(豊島岡2022第3回)

 

食塩水A、B、Cがあります。AとCを1:3の割合で混ぜると、4%の食塩水になります。AとBとCを2:5:6の割合で混ぜると、5.5%の食塩水になります。食塩水Bの濃度は何%ですか。

 

右矢印 まずは問題文の読み替えをする。

AとCを1:3の割合で混ぜると、4%の食塩水に」なることから、この4%食塩水をいったんPと名付ける。すると、問題文にある「AとBとCを2:5:6の割合で混ぜる」というのは

 (A+C):B=(2+6):5=8:5

より「PとBを8:5の割合で混ぜる」ということと考えることができる。

これを天びん図にすると次のとおり。

ここから5⃣=1.5%とわかり、8⃣=2.4%となり、Bの濃度は7.9%

 

 

  やりとり問題でビーカー図との相性がいいもの(三田国際学園中2021)

 

濃度がわからない食塩水Aがあります。この食塩水Aを240gと18%の食塩水300gを混ぜ合わせると、14%の食塩水になります。また、食塩水Aを50gと水200gを混ぜ合わせてできる食塩水をBとするとき、食塩水Bを250gと20%の食塩水100gを混ぜ合わせると▢%の食塩水になります。

 

 

右矢印 やり取り図(ビーカー図)を書いてみる(書き方のルールについては過去記事参照)。

濃度がわからない食塩水A」を「240gと18%の食塩水300gを混ぜ合わせると、14%の食塩水に」なるという状況は次のとおり。

この分子部分(食塩の量をあらわす)で式をたてると ▢+54=540×14%=75.6gより ▢=21.6gとわかる。つまり、240g中にこの食塩21.6gを含むAの濃度は9%(=21.6÷240)。

 

これを使って次の作業をみる。

食塩水Aを50gと水200gを混ぜ合わせてできる食塩水をBとする」とき、この食塩水BにはAから来た4.5gの食塩が含まれる。そのあとに「食塩水Bを250gと20%の食塩水100gを混ぜ合わせる」という状況までまとめてやり取り図にすると次のとおり。

こうしてできあがった食塩水の濃度は 24.5÷350=0.07=7%

 

 

  やりとり問題で天びん図との相性がいいもの(灘中2021)

 

濃度が▢%の食塩水が▢g入っている容器に、濃度が1.9%の食塩水100gを加えてよくかき混ぜると、濃度が3.1%になりました。そのあとに食塩10gを加えてよくかき混ぜると、濃度が5%になりました。

 

右矢印 うしろ(できあがり)から考える。

濃度が3.1%」で重さはわからない食塩水に「食塩10gを加えてよくかき混ぜると、濃度が5%に」なったという状況を天びん図にすると次のとおり(食塩を濃度100%の食塩水と考えるのは濃度算ではお決まり)。

ここからわかる比例式1.9:10=95:〇を解くと〇=500g

 

つぎに最初の作業を見ると、「濃度が1.9%の食塩水100g」と濃度▢%の食塩水400g(=500-100)を混ぜたら「濃度が3.1%」の食塩水500gができたという状況。これを天びん図にすると次のとおり。

ここからわかる比例式400:1.2=100:△を解くと△=0.3 よって▢=3.4%