集合算の難問対策 | 受験算数はきょうもおもしろい

昨日の記事の続きです。

 

 

立体図形や数の性質についてはいつもどこかで難問が出されているので、時間をかけて難問対策をしている人は多いはずですが、少し手薄なように思われるのが集合算の難問対策です。
集合算も実は難問を作りやすい分野であり(たとえば公務員試験に出る集合算はかなりの難問)、実際に中学入試でも毎年どこかでしれっと難問が出されており、対策が十分でないところを狙われやすい単元の一つといえます。
たとえば次のような問題が出ています。

 

あるクラスの男女の人数比は2:3です。このクラスでめがねをかけている人はクラス全体の75%です。そのうち、4割は男子、6割は女子です。また、同じクラスでスマートフォンを持っている人はクラス全体の35%です。スマートフォンを持っている人の男女比は男子3:女子4です。男子でめがねをかけている人とスマートフォンを持っている人の人数の差は6人で、女子でスマートフォンを持っている人のうち、めがねもかけている人の割合は5割です。また、スマートフォンを持っていてめがねもかけている人の男女比は男子1:女子2です。次の問いに答えなさい。(帝塚山中2021)

 

帝塚山中学校 2022年度受験用 赤本 1026 (中学校別入試対策シリーズ)

 

 

右矢印 問題文を一読しただけではぜんぜん頭に入ってこず、手を動かして、まずは情報をきちんと整理することが重要(というかこれができるかどうかがほぼすべて)という問題です。

ベン図だとぐちゃぐちゃになってしまいそうなので、表を使って整理していきます。

 

 

  ❶表を書く

 

ヨコに「あるクラスの男女の人数比は2:3」を、タテに「めがねをかけている人はクラス全体の75%」「スマートフォンを持っている人はクラス全体の35%」を書く。

 

  ❷割合をそろえていく

 

本問にはパーセント、歩合、比がまざっており、割合をそろえる(もとにする量をそろえる)ことがとにかく重要なので、これをしていく。

 

めがねをかけている75%のうち「4割は男子、6割は女子」より、75%を30%(4割)と45%(6割)に分けて記入する。割合をすべて「クラス全体の何%か」に一本化するため。

 

スマートフォンを持っている人の男女比は男子3:女子4」より、スマホを持っている35%も同じように3:4になるよう分ける。

 

  ❸具体的な人数を出していく

 

これで問題文の情報がひととおりパーセント(クラス全体を100%としたときの)で一本化できたので、小問にそって具体的な人数を出していく。

 

⑴ クラスの人数は何人ですか。

 

男子でめがねをかけている人とスマートフォンを持っている人の人数の差は6人」より、めがね男子30%とスマホ男子15%の差が6人だとわかる。

したがって 15%=6人 より 5%=2人。つまりクラスの人数(100%)は 40人

 

⑵ 女子でスマートフォンを持ち、めがねをかけている人は何人ですか。

 

小問⑴で出た5%=2人を使って表に人数を書き加える。

ここで「女子でスマートフォンを持っている人のうち、めがねもかけている人の割合は5割」より、スマホ女子8人のうちめがねもかけているのは4人とわかる。

 

⑶ 男子でスマートフォンを持っているが、めがねをかけていない人は男子全体の何%ですか。

 

小問⑵で出た重なりの4人を表に書き足す。

スマートフォンを持っていてめがねもかけている人の男女比は男子1:女子2」より、めがねをかけたスマホ持ち男子は2人とわかり、これも書き足す。

この表より、求める「男子でスマートフォンを持っているが、めがねをかけていない人」は6-2=4人とわかる。男子は40人×⅖=16人いるので、これは男子全体の 25%