ベン図を使わない集合算 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

 

集合算の問題ではベン図を使って条件整理していくことが多いですが、ベン図の仕組みを理解できておれば、基本的には計算だけでも解くことができます。

 

40人のクラスで、サッカーと野球についてのアンケートをとったところ、サッカーが好きと答えた人が28人、野球が好きと答えた人が30人、どちらも好きではないと答えた人が7人でした。サッカーと野球の両方好きな人は▢人います。(多摩大目黒2022第2回)

 

まずベン図にするとこうなります。


 

ここで▢のところはダブっており、ふつうに足し算していくと▢を2回数えることになるので、▢×1コ分を引いてちょうど全体の人数になります。

これを式にすると

  (28+30)-□+7=40

となり、▢=58+7-40=25人とわかります。

 

ここから

 全体の人数=(❶+❷)-❸+❹

という式がつねに成り立つことがわかります。

 

 

  類題1(帝塚山中2020)

 

ある小学校の6年生は80人で、国語が好きな人は算数が好きな人の¾いて、どちらも好きな人は5人、どちらもきらいな人は8人でした。算数が好きな人は▢人です。

 

右矢印 「国語が好きな人は算数が好きな人の¾」より、国語が好きな人を③人、算数が好きな人を④人とおくことができる。

これで❶国語が好きな人、❷算数が好きな人、❸どちらも好きな人、❹どちらもきらいな人の4つがそろったので、さきほどの公式「全体=(❶+❷)-❸+❹」にあてはめると

  全体=(③+④)-5+8=80人  ⑦=77  ①=11人

よって算数が好きな人④は44人

 

 

  類題2(国府台2021推薦)

 

▢人のクラスで犬と猫が好きか嫌いかのアンケートを取りました。猫だけが好きな人は犬と猫の両方とも好きな人の2倍より2人多く、犬が好きな人は猫が好きな人の½より8人多くなりました。また、両方とも嫌いな人は4人で、両方とも好きな人は全体の⅙でした。

 

受験者正答率20%以下の問題です(学校発表)。

 

右矢印 情報をきちんと整理して、❶犬が好きな人、❷猫が好きな人、❸両方とも好きな人、❹両方とも嫌いな人(これは4人とわかっている)という4つの形になるようにしていく。

 

まず「猫だけが好きな人は犬と猫の両方とも好きな人の2倍より2人多く」より、犬と猫の両方とも好きな人を②とおくと、猫だけが好きな人は④+2、猫が好きな人は⑥+2となる。

また「犬が好きな人は猫が好きな人の½より8人多く」より、犬が好きな人は③+9となる。

なお「両方とも好きな人は全体の⅙」より全体は⑫となる。

 

これでぜんぶ出そろったので、公式「全体=(❶+❷)-❸+❹」にあてはめると
  全体⑫=(③+9+⑥+2)-②+4=⑦+15  ①=3より 全体⑫=36人