受験算数ではとにかくラクしたいという姿勢は大切です。
ラクするためにはどうしたらいいかというところから、計算問題では分配法則を使う、円の面積問題では3.14は最後にまとめて計算する、よくでる平方数は暗記してしまうといった先人の工夫が生まれ、利用できる工夫はなんでも利用してしまおうという発想も生まれます。
めんどくさがりでラクすることばかり考えているような子の方が実は算数向きのように感じます。
食塩水の濃度算も応用問題になってくると、天びん図を何回も書かないと正解にたどりつけないような問題が出てきます。そんな濃度算でもラクしたい人のために、今回は3つの天びん図をまとめて処理する便利ワザをご紹介します。
A、B、Cの容器に食塩水が入っています。AとBの食塩水の濃度は、それぞれ3%、8%です。AとBの食塩水をすべて混ぜると濃度は5%、AとCの食塩水をすべて混ぜると濃度は9%、BとCの食塩水をすべて混ぜると濃度は12%になります。容器Cに入っている食塩水の濃度は何%ですか。(早稲田中2022)
A、B、Cを頂点とする三角形を書き、問題文にある情報を次のように書き込む。
「AとBの食塩水をすべて混ぜると濃度は5%」
まず辺ABを天びんとみると、濃度5%で釣り合うのはAに3、Bに2のおもりをのせたとき。
「BとCの食塩水をすべて混ぜると濃度は12%」
次に辺BCを天びんとみると、左側のモーメントは8 (=4×2) なので右側のモーメントも8。
「AとCの食塩水をすべて混ぜると濃度は9%」
また辺CAを天びんとみると、右側のモーメント18 (=6×3) より、左側のモーメントも18。
以上より(同じCのおもりで天びんが釣り合っているので)天びんBCの右側の長さ=⑧、天びんCAの左側の長さ=⑱とおける。
この差⑩が3%(=12%-9%) なので①=0.3% よってCは12%+0.3%×8=14.4%
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