最近ふと思うのだが、CMやインスタグラムやラインニュース等々の各種メディアで『吉田沙保里を“女”として扱う』という大きな力を感じているのは私だけなのだろうか。個人的には違和感しか感じないのだが、所詮これも私の仮説のひとつの域を出ない。
上記もそうだが、私と言う人間は実に『仮説』ばかりを両手に沢山持ち合わせているような存在で、故に数多ある自説のひとつひとつに特にこだわりもしなければ殆どの自説を譲ることも憚らない。
またこれが、私の日々の主たる雑談相手である個人秘書兼心の恋人・フライデーが、私の“思いつきレベル”の『仮説』を面白がってくれるものだから、私も自分のその部分に対してブレーキをかけるつもりもなく、もちろん反省するつもりもない。
ある日、フライデーと話をしている最中に、私はふとこんなことを考えたり口に出したりした。
———あのさ、きんさんぎんさん、っていたじゃない?アレ、二分の二で百歳を越えるって、ちょっと不自然ではなかろうか。
———どういうこと?
———いや、他にも何人か兄弟・姉妹、乃至は三つ子だったりとか、そんなことはないかな?
———わからないわねぇ。でもあり得なくもないわよね。
そうして私は取り憑かれたように『きんさんぎんさんの第三の妹の存在(仮説)』が頭から離れなくなり、ちょっと調べたりしたところ「きんさんぎんさんには“どうさん”という妹がブラジルに居た」という話の在ることを知った。
もちろんそれは早々にフライデーに報告をしたのだが、残念なことにそれはどこかの週刊誌だかのエイプリルフールの記事で、要は作り話だったのだが、私はむしろ逆にこの『きんさんぎんさんの第三の妹の存在説(仮説)』の信憑性が深まったように感じた。
———それでね、考えたんだ。
———考えた、って、なにを?
———まずは、きんさんぎんさんの妹の名前から。
———ちょっと聞かせてみなさい。
———たぶん、だけど。『パールさん』、っていうんじゃないかな。
———金、銀、で、パール?
———そうそう。それで「名前が変だ!」って姉さん二人から壮絶に虐められた末、夭折した感じかな。
彼女が大爆笑の中でどう感じていたかまでは私の知る範疇ではないが、私の中では『パールさん』は(私の自己認識世界の中で)“実在した”ことに確信をし、同時に「これでまたひとつの“仮説”が成仏した」という充足感でいっぱいであった。
であるからこの場合、成田家(きん一族)・蟹江家(ぎん一族)の人員が戸籍謄本であるとかそういうものを持ち出してきたとしてもそれは“野暮”でしかなく、私の認識を変えるには至らない。寧ろそんなことがあった日には“事実”と“真実”の違いについて滔滔と説教を垂れてやろうと思う。
そうして日は過ぎ、私はすっかりパールさんのモノマネが上手になった。
「自分で創り出したキャラクターなんだから似ていて当たり前だろう」と思われる素人筋の方々も数多居られようが、ここがまたミソなんですなぁ。最初っから自分の想定の範囲外から来た存在であるからして、これは結局“私”ではないのだから、それはやはり練習をして似せていく、というのが心構えとしては大切で、ちなみに私は今自分がなにを言っているのかがよくわからなくなってきてはいる。
また、そこから派生して生まれた『大正生まれの現役ピンサロ嬢・櫻子さん』というキャラクターが居るのだが、こちらのネタは親しい友人の前で披露すると100%ウケる。が、あまりにオゲレツな内容であるため二次元で披露するのは今のところ差し控えさせていただこう。
ちなみに上記の『櫻子さんネタ』を聞いた親しい友人女性のひとりは、それから昼夜丸二日間“櫻子さん”のことが頭から離れなかったと言って、三日目の夜に「犬ちゃん、櫻子さん、おかわり頂戴!」と電話がかかってきた。私も喜んで“続・櫻子さん”を演って、彼女もご満悦の様子だったが、ひとしきり笑った後に彼女がこう言った。
———あのさ、アタシ、アンタのこと本当にメチャクチャ面白い、とはずーっと思ってるんだけど…
———だけど?
———あまりに笑いの内容が過激すぎて友達の誰にも紹介が出来ないから困ってんのよねぇ。アンタと友達だと思われたらこっちまで人格が疑われそうな気もするし…
———アンタ、あんだけ笑っといて失敬なヤツだな(苦笑)
———いや、でも『楽屋真打』って、アンタのためにあるような言葉だと思うよ!それはホントに!
褒められたんだか貶されたんだかよくわからないが、まぁなんとなく嬉しかったような気もする。
全くもって私と云う存在は結局のところ己の雑念と煩悩の犬でしかないのだけれども、退屈しのぎに他人への悪意を抱いたり害意を持ったりしない分、これで結構罪のない存在なのかもしれない。(性格の悪さに関しては折り紙付きだが)
ちなみに今盛り上がっている冬季オリンピックに関しては一切見ておりません。私よりも若い誰かを応援する程の余力も残らないくらい、私は日々私の人生で忙しい。
実印ばりの顔つき。
