とあるフランス人の方に言われたことがあります。
「日本人は、新しい電化製品がでたら信用してすぐ買うのに
なぜ、人に勧められた新しいことは疑ってやらないんだ？」と。
たぶん、言わなかったけれど、その後に
「人間の言うことより、電気を信用するのか？」と言いたげでした。
確かに、日本人は噂に流されやすい人種です。
だからこそ、流されまいと、警戒して疑うことを覚えてしまった
人種だと思います。
もしかしたら心無い人は「外国の人の言うことは日本人に当てはまるかわからないし
聞かない」なんて思っていたのかもしれません。
そのせいでこのフランスの方はそういう思いをしたのかも。
でも、人間の心理や、健康に関しては
国が違っても同じ肉体である以上、そうそう変わるものではないと思います。
ですが、「耳慣れない、聞きなれない」物に対して
日本人は特に警戒心が強いように思います。
この国でチェーン店が成功し、商店街などの個人店が大変な思いを
しているのも、もちろん、仕入れの値段の問題、
人間の数の問題、そして経営学的な知識の問題、いろいろありますが、
知ってる店、聞いたことのある会社、名前を信用する帰来があるからではないかと思います。
確かにチェーン店だと値段も味も同じで、
入る前から想像できるので、お財布の中身を心配しなくてもいいし
それもいいのですが、自分が見つけた良いお店を増やしたり、
入ってみて成功か、失敗か、それがどちらでも経験として楽しめる
遊び心の低さも関係しているように思えます。
それはそれでいいのですが、
遊び心のなくなった社会、そして遊び方を知らない人達の増える社会になる
ことが問題だと思います。遊び心がなくなったせいで、
全てにおいて機械の様な完全性を客がもとめ、
そのストレスをかかえた店員が、客の立場の時に同じ責めを店員にする。
この負の循環の中で、この社会がストレスフリーになることなど
もちろん不可能だし、その相手への締め付けが、結果、自分も締め付けていることに
気づかず、ストレスの所在がわからないまま生活している人が多いように思えます。
人間は完全ではありません。
個々、それぞれちがいます。
でも、だからこそ沢山いて楽しいし、美しいのです。
アニメの台詞のようなこの甘ったるい言葉を
もう一度、日本人は思い出してもいいような気がします。
元々は、繊細で遊び心の沢山ある人種だったのですから。