
表題の「真夜中の動物園」
昔からそうだけれど、みゆきソングは「どつぼ」と言われるほど
暗い曲は救えないくらい暗い曲が多い。
でも、そこに主人公が「彼」への恨みは描かれていても
誰か個人への怒りはない。
最近アゲアゲと言って、
気分を盛り上げる曲が多く見られる。
確かに暗い話題が多いので明るくしたい気持ちもわかる。
でも、暗い気持ちを整理せずに無理に明るく振舞おうとしても
その時はよくても、結局、帰り道などに
一人っきりになった時に、そのわびしさと向き合わなくてはいけない。
それなら、最初からどっぷり暗くなった理由と向き合って
自分の中で消化できるまで考えた方が近道のような気がする。
そのために、
暗い気持ちと向き合うために必要なのは
暗い状況を客観的に感じれるための暗い曲だと思う。
つまり、
みゆきソングは一種の「今、アナタ暗いんでしょう?無理せず暗い気持ちを受け止めなよ」
と言う安定剤のような効果があると思う。
そして気持ちが安定している時に聞くと
「あ~自分が不安定だった時はそうだったんだ」と思いだせるような
自分の過去の日記のようなメモリー作用があると思う。
曲調や歌声と言うよりも、
そこに多くの人がひかれるのではないだろうか。
あとこのアルバムもそうだけれど、
スタジオにバンドも入れて一発録音状態に近い状態で
録音したりすると聞いたことがある。
そこにも歌の技巧ではなくて言葉を伝えたい気持ちが感じられるのはアタシだけだろうか。
「傷つきやすいと言うことが言い訳になってハリネズミ
傷つけちまった悲しみに後ずさりするハリネズミ」
批判でも中傷でもない。
いろんな人を見てきた長い人生を生きてきた人だからこそ言える言葉だと思う。
歌詞に決まりはない。
だけどアタシが好きなのは、きっとそこに人物と人生が見えるものだと思う。
会話をする時だって、経験の少ない話や、薄っぺらい知識を聞いても
あまり面白くないけれど、
その人が真剣にすごしてきた時間や、極めていることを聞くと感動することがある。
歌もそんな歌が聞きたい。
自分の愚痴や文句の歌じゃなく、
個人的な恋愛相談をまともにぶつけられる歌じゃなく、
出口のない疑問の歌じゃなく。
まぁそういいながらも派手な衣装や、
踊りながら元気よく歌う曲もすきなんだけどね。