秋から歯医者に通っている。
クリーニングに行ったのがきっかけで、虫歯ができたというわけではなかった。でも、私の口腔内を見た歯科医が、ずっと前に治療した歯の金属について言った。
「以前は治療に金属を使ったけれど、今は金属は体によくないとわかってきています。時間があったら、詰めてあるものをかえたほうがよいですよ」
下の奥歯5本に金属がつめてあり、口をあけると目立つなあと思っていた私は、いい機会だと治療をしてもらうことにした。
左が終わって、右は1本ずつ治療してもらい、いよいよ最後、右のいちばん奥の歯となった。
私は歯並びがとっても悪くて、その奥歯が舌側に傾いている。
これがちょっと問題だった
見にくい、治療しにくい生え方だからだ。
詰めたものをはずして型をとって、最後に助手の人が仮詰めをしてくれた。
「高さはどうですか?」と聞いてくれたけれど、麻酔が効いていてよくわからない。そう伝えると、「そうですよね」とうなずいて高さを調整してくれた。
さて、麻酔が切れて食事をすると、なんだか違和感がある
口の中で右側がガチガチいう感じ
食べ物がうまく噛めない……というか、噛む力が左右均等にかからないのだ
『こ、これは仮詰めしたものが高いのだ』
麻酔が効いていて、高さについて返事ができなかったから仕方ないのだけれど。
それが気になると、左ばかりで噛むようになって、食べ物がうまく消化できないような気がする。
仮詰めしたものが舌にちょこっと当たるようで、酔っぱらってろれつが回らないときのようなしゃべり方みたいな気がする。
うんと固いものは食べないほうがいいような気がする。
何日かすると、いつもより肩が凝っている気がする。
気がする、気がする、気がする、……が重なってきた
いや、実は本当にそうなんだと思う
こうなると、右の奥歯が気になって気になってしかたがない。
これって、身体の不具合のほんのちょっとしたことだと思う。
けど、このちょっとしたことの不快さが網目のように心身にひろがって、網のつなぎ目のようなところでピチリと支障をきたす。
こういうちょっとしたことを見逃してはいけないし、気が付いたときに対処しないとねと自問自答。
が、歯医者の次の予約は、来週なのが悩ましいところ。
平静を保つ修行期間としておこうかな。