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【バックアッププラン(中篇)】
竜太が少し声を潜めてゆっくりと話し始めた。
「このプロジェクトは、毎年の定期的な会合と必要な時に召集される不定期会合で
次の方針が決定される。
先週、不定期会合が開かれてついにアクション1を開始することになった。」
「アクション1ってなんですか?」
「『ペイロードの確保』と聞いている。でも、ペイロードが何かは
知らされてない。」
「ペイロードって積み荷のことですよね。でもいったいなんだろう。」
「アクション1のトリガーになったのが、ここ数か月の中東の動きなんだ。
いま、中東からクリミア半島に至るエリアがとてもきな臭い状況になっている。」
「例のアイシスですね。それからロシアのクリミア併合か。」
「そう、いままでソフトランディングしようと模索してきたけど、
そうも言ってられなくなってきたんだ。」
「どんなシナリオですか?」
「こういう場合、3つのシナリオを想定する。1が一番穏やかで、
3がワーストケース(最悪の場合)だ。
そして、いまは、シナリオ3に対応するようにとの決定がなされている。」
「ワーストケースだとどんな想定ですか。」
「いまアイシスは、周辺諸国とアメリカから包囲されて徐々に
その勢力圏を狭められてきている。
そういう場合は、どんな対応を取ると思う?」
「現状を打破できるような反撃ですよね。」
「そうだ! アイシスは、あるルートから核兵器を調達しようとしている。
それを盾に西側を揺さぶろうとしている。」
「なるほど。実際に使わなくても持っているだけで相当な効果です。」
「そしてロシアも核兵器を準備していると表明した。」
「石油価格が1バーレルで40ドルを切ったらもう生活ができなくなるって
聞きました。」
「そう、どちらも実際に使うつもりはないだろう。報復されたときの被害は、
もはやまったく回復不能だろうから。
でも、想定しているシナリオはこうではない。」
「ということは?」
「そう、予想していないトリガーが起爆装置を動かす可能性だ。」
「それは、西側の特殊部隊が侵入してそれに対する防御として
発動されるのかもしれないし、
疑心暗鬼を生んでいるところに、地震とかなんらかの天変地異が起きて
それが動き始める可能性もあるし、
もっともありそうなのが警戒システムのセンサーの誤動作だ。」
「それは、聞いたことあります。10年ほど前にヨーロッパで起きたことですね。
核ミサイルが発射されたと検知して
危うく報復用の核ミサイルのスイッチに手をかけたと。」
「そう、担当者が一度思いなおしたおかげでミサイルは発射されなかった。
でも、今回は、緊張している国々がいくつもある。
こういう場合がいちばん危ない。」
「わかりました。全世界にミサイルが飛び交う前に
なにかをしようというわけですね。」
「そういうことだ。」
「じゃあ、僕は何をすればいいですか?」
「よし、場所をかえようか。」
竜太は、聖人を伴ってある場所に向かった。
(続く)
【2015年3月記】
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