S邸引渡し | Ju Design 建築設計室 のこんなこと

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あったこと、考えている物事などなど綴ってます。

今月の初めにS邸の内部が完成し、引渡しを行いました。

ギリギリまで工事を行い、なんとか引越しに間に合うことができました。

 

 

とは言いながらも外部の工事はまだ残っていて、

全体が終わるにはもう少しかかりそうです。

 

竣工写真はこれから撮影する予定ですが、

その前に引渡し直前の姿をシロウト撮影してきましたので

ホームページに載せる前にフライングして少し内部を紹介します。

 

 

玄関は勾配天井にして梁を表しながら天井高が上がりすぎないように、

基準軒高から下がった位置に玄関を配置しています。

玄関ポーチから梁を表しにしていて

それが中に入ってさらに外まで抜けて見えるようにFIX窓としています。

FIX窓部分は建替え前の建物にあった障子戸を扉に加工して取り付け、

視線を隠すこともできます。

また梁の下にはこれも建替え前の建物にあった欄間を思い出として取り付けています。

 

 

玄関を反対側から見た写真です。

玄関の横には珍しいカマド土間があり玄関と一体にして使うことができます。

みんなが集まって行う餅つきの際にはこの空間が大活躍してくれる予定です。

また餅つきの時のことを考慮して玄関から続く勾配天井として高くしています。

 

 

玄関を抜けるとLDKと和室が広がります。

ロフトを持つリビング部分は天井を高くして

ハイサイドライトを取り入れて明るい空間となっています。

 

 

和室との境は低く見えますが、

以前の建物にあった障子を3本引込戸にして再利用しています。

 

 

和室の両側に見えるのは以前の建物の障子です。

昔の障子のため高さが低く、リビングからは少し圧迫感を感じるのですが、

和室に入ると三角天井が広がりを持たせて雰囲気を変えています。

この天井は中に入らないと見えないので建具の高さはいい意味で効果があったと思います。

 

 

この建物は「小路地」というサブネームを付けていますが、

そこにはいくつかの道が存在するところから来ています。

分岐点がいくつかありその中心に

吹き溜まり空間(広がる空間、抜けた空間)のリビングがあります。

そこから分岐された道(路地)の一つの先に主の部屋、書斎があります。

 

 

窓からの景色はお見せできませんが、

2面がほぼ窓となっているのと玄関ポーチの軒下と一体化することで、

部屋の大きさ以上の広がりを与えてくれます。

 

 

この書斎に続く路地は建物の内部にありますが、

土間空間との間をガラスにして光を取り込んでいます。

この部分のガラスは以前の建物にあった型板ガラスを再利用し、

一枚の大きさが限られていたので中桟を入れて数枚で一つのFIXを構成しています。

 

 

別の路地の終着点はロフトになっていて室内を見下ろすことができるのと、

外観写真で確認できる大きなFIX窓からの眺めが広がります。

ロフト部分と階段部分が路地の上を跨ぐようになっているのですが、

その部分をFRPグレーチングとして光を遮らないようにしています。

路地の手前には空間の切替としてこちらも以前の建物にあった欄間を取りつけました。

 

 

最後に路地とは関係ありませんが、

あったらうれしいサンルームを兼ねるユーティリティスペースがあります。

大きさは2帖と小さいですがLDKとガラス越しにつながり広がりを持たせています。

 

ざっくりとシロウト写真をお見せしましたが、

竣工写真が完成しましたらホームページにアップする予定ですので、

またチェックしてみてください!