人質社員 | JTT海外展開のブログ

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JTTは鉄鋼製品や機械を輸出する商社です。また海外進出する企業を支援する事業も行っています。社長の相田和宏は25年以上にわたり、中国、ベトナム、韓国、インド、ミャンマー等の企業と人と関わってきました。その異文化交流のエピソードや苦労話や最新情報をお伝えします。

みのもんたの次男が窃盗で逮捕され、その学生時代の行状と「人質入社」の件が注目されている。まずは「人質社員」について書いてみる。


人質社員とは、その人が存在しているだけでよいという意味。何もしなくても、身柄を会社で拘束しているだけで、メリットがあるためだ。能力がないため社内では「人質」とか「劣る君」と言われている。そのため仕事はなるべくさせない。また重要な仕事は全くできない。女の子の場合は、むしろ好都合。金持ちの子女の場合、長く在籍しない。


人質の劣る君は、両親や親せきに有力者がいる人で、人質をもらい受けた会社の社長が、その有力者に会った際、「いやー劣る君(仮称)は頑張っていますよ」と、挨拶代りに言うだけで、有力者と良好な関係でいられて、仕事もうまくいく。このためだけに飼っておく。


よく「コネ入社」や「縁故採用」とは何が違うのかと聞かれるが、人質社員は、通常の入社試験では入れないことは明白。そんな能力はない。コネは「下駄を履かせる」と言われ、一般募集者よりも、点数を水増しして、入社試験に臨ませる。縁故は社内ネットワークの身内意識が働く。「人質」のような取引関係を強固にするという意味合いは薄い。コネや縁故もその強度によって、下駄の高さが異なる。高い下駄を履いても、入社試験に通らなければ採用されない。


今回の「みのもんた」次男の人質待遇は、有名人や有力スポンサーの子息という意味での人質。有力者と仕事を円滑に進めたいため、能力もない「劣る君」を採用したのだ。長男も次男もというのは情けない。

まともに育っていないという証だ。


この手の人質社員はかつて電通が多く、また有名であった。電通というと、かつてはかなり優秀でないと入れなかった。また入社しても営業局に配属になると、スポンサーへの過激な接待のため、商社と変わらぬ男芸者の役割を演じていた。広告宣伝を取るというのは大変なのだ。不景気なので。


電通での人質社員の有名事件がある。

ある人質の「劣る君」は、朝から社内の書庫に一日隠れていて、女子社員が資料を取りに来た夕方に、書庫から「ばぁ~」と出てきて、驚いた女子社員を見て、狂喜乱舞していたという。実話である。

まるで幼稚園での出来事である。


社員が一日書庫の中に入っていても誰も気付かない。今のように直行直帰が常態化していない時代の出来事である。


人質社員は、遅刻や欠勤に対して、上司に厳しく言われず、仕事もほとんどなく、会社に在籍していることだけが、仕事。朝から何もすることがないのだ。暇をもてあまし、社内で遊んでいる。


最近の人質君は電通よりも、テレビ局に増えている。以前はマスコミは格好がよく、給与も高かったので、有力者が子弟をテレビ局に押し込んだのである。お蔭でもともと人数の少ない東京のテレビ局は、人質やコネ、縁故の馬鹿ばかりが入ってきて、バカ度が上がり、会社組織が衰えてしまった。


まあ人質もかわいそうな面がある。有力者が失脚したり、スポンサーが買収されたりして、人質を受け入れた会社との関係が変わったら、人質は追い出される。利用価値がなくなったら、劣る君の会社人生も終わりである。


これが人質の運命である。戦国時代は、人質はよく殺された。現代もこの仕組みは変わらない。