連日ロシアのウクライナ侵攻のニュースが流れている。
ロシア軍はどんな武器を使っているのだろうか?
今回は重機関銃を紹介する。
Kord重機関銃(コルド機関銃)は、1998年にロシアが制式採用した口径12.7mmの重機関銃である。
ソビエト連邦時代にはNSV重機関銃が車載用の12.7mm重機関銃として使用されており、その生産工場はカザフ・ソビエト社会主義共和国に存在していた。
しかし、1991年のソビエト連邦の崩壊でカザフがカザフスタンとして独立すると、ロシアに対するNSVやその部品の供給が滞り、稼働率を維持できなくなってしまった。
これに対処するため、ロシアのデグチャリョフ設計局は、新型の歩兵支援・車載・対空用12.7mm重機関銃の設計を行い、1998年に制式採用された。
Kordの外見は前任のNSVに似ているが、ボルトのロッキング機構が垂直ティルト式からロテイティング式に変更されたりガス圧作動機構が変更されるなど内部構造が変わっているほか、反動軽減用のマズルブレーキが装着されているのが外見上の大きな特徴である。
銃身も過熱に対する耐久性を増している。
これらの改良によってNSVに比べて反動が軽減されたため高い命中精度を有し、遠距離狙撃能力も高められている。
それでいながら、作動機構は高い信頼性を有している。
12.7mm口径の重機関銃としては珍しく、三脚は必ずしも必要ではなく、射手が二脚で据え付けた本銃を、銃床を肩に当てた姿勢で射撃することが可能である。
銃本体または二脚付きの本銃(後者で約32キログラム)を一名で持ち運ぶことも不可能ではない。
さらに、実効性には疑問符が付くものの、二脚付きの本銃を腰だめ姿勢で射撃するデモンストレーションの映像も存在する。