今回のこの事案でもしみじみ自衛隊は軍隊のようなものであり、決して軍ではなく自国の防衛に特化した自衛隊という軍隊ではない組織なのだと認識した。
軍隊と自衛隊の大きな違いは戦車があるとか戦闘機や軍艦(自衛艦)を保有しているからとかではない。
軍隊は「やってはいけないことは出来ない」組織で自衛隊は「やってもいいよ」と明記されたことしかやってはいけないしやれない。
つまり軍隊はやってはいけないと言われていないことはやれる組織で、自衛隊は法的にやっていいこと以外は例え日本人の救出でも決してやらないしやれないのだ。
今回も法的根拠だのを理由に邦人救出の機会を逸してしまった。
そもそも危険な空港までどうやって移動するのだ?平和ボケし過ぎて笑えない。
英軍特殊部隊ですら危険で空港へは行けなかったのに・・・・。
これが今の平和な国日本の正体です、有事の際には本土決戦思想の日本にあって国民は自分でなんとかしなければならない。
自衛隊は戦闘することで手一杯で国民の保護という訓練も任務ないのだから・・・。
かつて日本の政治家は「人の命は地球より重い」と連合赤軍の過激派を釈放した超法規的措置をしたのに、こういう時は超法規的措置はしないのだ・・・・日本とはそういう国なのか・・・・。
以下時事通信社より転載
日本政府によるアフガニスタンからの邦人や大使館の現地スタッフの退避作戦は、事実上の活動期限である27日を過ぎ、継続は困難な状況となってきた。
自爆テロによる治安悪化などの影響で、最大500人と想定する退避希望者の多くはアフガン国内に残されたまま。
派遣の根拠である自衛隊法に活動を制約され、自衛官は首都カブールの空港から一歩も外に出られなかった。
政府は当初、退避希望者の空港までの移動手段について、「各自で確保していただくしか仕方ない」(岸信夫防衛相)としていた。
しかし、イスラム主義組織タリバンが24日にアフガン人の出国を認めない考えを表明したことを受け、方針を転換。
26日には空港へ向かうバスを20台以上用意したものの、空港ゲート付近で自爆テロが発生したため、移動を断念した。
今回、自衛隊員の任務は自衛隊法84条の4に基づく「輸送」で、空港内での邦人らの誘導と空自機による退避が中心。
同法は輸送を「安全に実施することができると認めるとき」に限定しており、米軍が安全をコントロールできる空港内でのみ活動することとした。
自衛官が市中に退避希望者を迎えに行き、警護して連れてくることはできなかった。
2016年施行の安全保障関連法で、新たに在外邦人らの救出や警護を認める「保護」(自衛隊法84条の3)が可能となり、より強い武器使用権限も与えられた。
しかし、派遣先となる受け入れ国の同意や現地の治安が維持されていることが要件で、タリバンが支配するアフガンでの適用は見送った。
要件をめぐっては、24日の自民党国防部会などの合同会議で「安定していないからこそ(保護の)ニーズがある」として、緩和を求める声が上がった。
防衛省内からも「今回の件をきっかけに議論を始めてほしい」と法改正に期待する声も出ている。 (時事通信社)
韓国では韓国軍がアフガニスタンで韓国政府に協力していた現地スタッフとその家族390人を脱出させ「ミラクル作戦」と自己賛美している。
あの韓国軍でさえ・・・・。
首都カブールの国際空港への接近が難しい状況下で、在アフガニスタン韓国大使館職員以外に60人余の特殊任務部隊を編成し、希望者全員を脱出させることに成功したという。
韓国にやれて日本にやれなかったこと、これが軍を持つ国と待たない国の違いとも言える。
海外でこういうことが起きても外国の人達は祖国の軍が必ず救助に来てくれると信じることは出来るだろう。
日本には軍が無い平和国家だから決して軍の救助は来ないし「自衛隊が助けに来たけど空港までは自力で来てね」ってことだ。
その空港付近がかなり危険なのに・・・・日本に居てはそういう当たり前のことが判らないし知ろうともしない。
「自衛隊の飛行機が救助に行ったではないか、空港くらいまでは自力で来いよ」なんて平和ボケなこと言っていたら笑われる。
かといって「自衛隊は何しているんだ、救助に行けよ」と言っても法的根拠もないことをやれる組織ではないのだ。
有事になるとそんなことが山ほど起きることは間違いない。