目の前を、大小さまざまな車が走っていく。それを、ただ何も考えずに眺めているのだが、別にそれが趣味というわけではない。暇を持て余しているのかと言われれば、認めたくはないが大筋合っている。バス停でバスを待っているのだ。
多くの人が経験しているように、バスは道路の状況に左右されるから、時間通りに来た試しがない。かと言って、そういう時に限って時間通りに来るかもしれないと考えてしまうので、やはり時間通りにバス停に行ってしまう。
そして、今回も予定通り順調に遅れている、といったところだ。
そんなわけで、やる事もないので目の前を通り過ぎる車を眺めている。救いなのは、夏だというのに天気が悪く、曇っているという事だろう。
ここ最近は非常に暑く、夜も熱帯夜が続いており、眠りが浅くなっているのがわかる。8月と言えば夏真っ只中であり、恨めしいほど強い日差しが毎日のように降り注いでいる。
しかし、何事にも例外はあるようで、今日は珍しく曇っている。それどころか、今朝は大雨が降り、まさにバケツをひっくり返したような感じだった。
少しの雨ならば、湿度が高くなるので逆に蒸し暑くなるが、ここまで盛大に降るとさすがに涼しくなる。昼前には雨は止んだか、それでも日差しは戻らず、暑さはだいぶ和らいでいる。
今日はこのまま推移しそうだが、明日になればきっと夏日になるのだろう。まさに夏の中休みというか、恵みの雨だったのかもしれない。
梅雨の時期は雨が多く、一週間も続くと嫌気がさしてくるのに、たまに降る雨はありがたがるのだから、勝手と言われれば返す言葉がない。しかし、その変化を楽しむ事が出来るのも日本人であり、四季がある事に感謝しなければならないかもしれない。
人生も天気のように、良い時もあれば悪い時もある。だが、結局のところは気の持ちようで、いかようにも変化する。大事なのは、ある出来事に対して一喜一憂せず、冷静に見極める事だろう。
ドン底と思っていても、歩き続ける事で必ず違う局面が訪れる。そして、改めて振り返った時、その出来事は「今」を構成する大事な構成要素だったのだと気付くのではないだろうか。
おっと。こんな取り留めもない事を考えていたら、遅れていたバスがやっと到着した。心なしか、天気も回復したようだ。
さて。それではバスに乗って、気分も新たに出発しますか。