僕が小学生のころ、長期休みに入る前に必ず先生から言われていた事があった。
「ゲームセンターに行ってはいけません」
恐らくこの言葉は、爆発的な人気となり、日本全国にゲームセンターが出来るキッカケとなったゲーム「インベーダー」が流行っていた頃の事を想定していたのだと思う。
昔のゲームセンターはどちらかと言うと、「暗くて不良が集まる場所」、というイメージが強かったと思う。実際、そんなゲームセンターもあった。
それでは僕はどうだったかと言うと、小学生の時には家庭用ゲーム機「ファミコン」で満足していたので、1プレイごとにお金を入れてまでゲームを遊びたいとは思わなかった。そんな事から、先生が言っていた「ゲームセンターに行ってはいけません」を結果的に守っていた事になる。そのため、中学生になってもその行動は変わらなかった。
はじめのうちは。
年齢が上がれば行動範囲も広がり、好奇心も旺盛になるのは当たり前だ。いきなりゲームセンターはハードルが高かったので、デパートの最上階にあるゲームコーナーを覗いて見る事にした。
特に遊びたいゲームがあったわけではない。今まで行った事がなかったから、興味を持っただけだ。だがそれが、僕の人生を大きく変える事になる。
最初に目に飛び込んできたのは、大きな筐体のゲームだった。幼児がゲームコーナーで乗るような遊具みたいに、プレイヤーが乗り込むタイプのゲームだった。
「アフターバーナーⅡ」
セガが世に送り出した「体感ゲーム」であり、ゲーム画面とシンクロしてシートも動くという、とても画期的なものだった。
僕はこのゲームに心奪われた。なんて面白そうなんだろう、と。だが、ここで小学生の時の事が思い出された。子供の頃の刷り込みというのは強力で、「ゲームセンターで遊ぶ事は良くないこと」と無意識レべルで思っていたのかもしれない。そんな事もあり、気になってはいたものの、しばらくは眺めているだけだった。
しかし、我慢していると必ず臨界点がやってくるもので、ついにシートに座る時がきた。当時は1プレイ50円が主流だったけれど、体感ゲームは価格設定が高めだった。貴重なおこずかいから100円玉を一枚投入する。
ゲーム内容は、一人称視点の3Dシューティングゲームで、バルカンとミサイルで敵を撃ち落とす。スピード調整もあり、なんと言っても時機が360度回転するのは爽快だ。しかも、それに合わせてシートも動くのだから、迫力満点だ。
初めてのプレイでは、ステージ3でゲームオーバーとなった。時間としてはそれほど長い時間ではなかったが、ちょっとフラついたのを覚えている。
これ以降、ゲームコーナーやゲームセンターに行く事に抵抗がなくなり、以降、ゲーセン通いが続いている。僕の中では原点の中の原点であり、忘れられないゲームだ。
それが今では、携帯ゲーム機「3DS」で遊べるようになってしまった。もちろん購入した。さすがに「体感」する事は出来ないが、画面に合わせて自分が動く「擬似体感」で楽しんでいる。
ゲームセンターで現役の時にはクリア出来なかったが、今はコンテニューを使ってエンディング画面を見る事が出来た。これからも初心を忘れないという意味で、手元に置いておこうと思う。
