「グラディウス」というタイトルを聞いたのは、「ファミコン」のゲームとしてだった。友人伝いに面白いと聞いていたので、何の機会だったか忘れたが、親に買ってもらった事を覚えている。当時はまだ小学生であり、ゲームセンターにも行っていなかった。
今の学校の指導はどうなっているかわからないが、当時は「行ってはいけません」、と言われていた。夏休みなどの長期休みになると、わざわざ見回りにくるほどの徹底ぶりだった。そんな環境だったから、ゲームセンター側も自己防衛的に、高校生以上でなければ出入り出来ないところもあった。
だからというわけではないが、ファミコンでグラディウスを遊んでいた当時は、ゲームセンターに興味はなかった。面白いと聞いて買ってもらったグラディウスであったが、最初の頃はあまり面白いと感じなかった。
ゲームとしては、横スクロールのシューティングゲームで、少しづつパワーアップしていく必要がある。そのパワーアップ方法が独特で、パワーアップカプセルを取ることで画面下にあるパワーアップ項目が移動する。そのパワーアップしたい項目になったところでボタンを押すと、パワーアップする事が出来るというものだ。上限が決まっているので無限に強くなれるわけではないが、最強までの道のりは、自分で選べるという事だ。もっというと、あえてパワーアップしないという選択も出来た。
その自由度の高さが馴染めず、何からパワーアップすれば良いのかわからなかった。その上、目指す装備になるまでに途中でやられてしまい、また最初からやり直すのが嫌だった。それでも買ってもらった以上は遊ばなければと思い、たまに取り出しては遊んでいた。
そんなある時、とてもスムーズにパワーアップする事が出来た。自分なりに定石を見つけた瞬間だった。それからはとても楽しくなり、夢中になって遊んだ。それまで行った事のないステージにも行けるようになり、ほどなくして1周クリアを果たす事が出来た。2周目以降は興味がなかったので、わざとやられてゲームオーバーにしていた。クリアする事が目標だったので、それで満足した。
そんなわけで、オリジナルがアーケード版である事を知ったのは随分あとだった。知った時にはアーケード版はすでに現役を引退しており、遊ぶ手段がなかった。このゲームも多くのゲーム機に移植されているが、完全版に近いものを遊んだのは「サターン」版だった。しかし、やり込んだファミコン版とは攻略法が全く違うため、まともに遊ぶと、現在でも1周すらクリア出来ないのが現状だ。
数多く移植された中で今回は「PSP」版をプレイしてみようと思う。
ゲームを起動し、早速設定を変える。難易度を一番易しい「1 VERY EASY」にする。さらに、本来ならショットとミサイルは独立したボタンだが、一つのボタンで同時に発射し、加えて連射も設定する。これで準備は整った。
スタートすると、全面共通の聞き慣れたBGMが流れる。ザコキャラを倒してパワーアップカプセルを回収し、順調にパワーアップしていく。曲が変わったところで本格的に戦闘開始だ。
最初の面はさすがにそれはど攻撃も激しくなく、問題なくボス手前の火山までやってきた。この時点でオプションは4つ。普通に点数稼ぎのパターンで火口線上に自機とオプションを配置して、ショットを連射した。ところが、ここで事故が起きた。たまにあるのだが、撃ち漏らした溶岩石がぶつかってしまったのだ。ここでいきなり1ミス。さい先が悪い。復活パターンをよく知らないので、苦戦が続く。
さらに、全くパワーアップカプセルが出てこない5面で痛恨のミスをした。それでも難易度にも助けられ、無事最終面へ。フル装備にはならなかったが、何とかクリアにこぎつけた。
今でもたまに遊ぶのだが、本当に面白いなぁと思う。すでに30年以上経過しているのに、全く色あせない。遊び込んだ人にとっては簡単過ぎるかもしれないが、下手なりに楽しめるのは本当に嬉しい。名作は、いつ遊んでも面白いと思わせるゲームの一つだと思う。

