ライティング・ゼミ未掲載記事vol.10「ぼっちでグルメ『米沢ラーメン』」 | ジョブスケの人生全力疾走

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 現在、天狼院書店において「ライティング・ゼミ」を受講しておりますが、宿題として毎週、記事を提出しております。先生の判断として許可が出れば天狼院のWEBに掲載されますが、内容不十分と判断された場合は掲載されません。

 

 ここでは未掲載になった記事をアップしていますが、今回ご紹介する記事は「かってにご当地シリーズ」と題して書いた記事です。評価としては良くなかったのですが、少しでもその地域の良さが伝わればと思ったので掲載致します。よろしくお願い致します。

 

 

タイトル:ぼっちでグルメ「米沢ラーメン」

 

 今回の長期休暇では、久しぶりに帰省した。僕の実家は、山形県米沢市である。歴史的に言えば、上杉家が最後に領地とした場所になる。だが、その前は伊達政宗で有名な伊達家が納めていたから、仙台とも縁があると言えるかもしれない。実際、ちょっと買い物に出かけようと思うと、山形ではなく仙台に行く場合も少なくない。そのため、九州のように鉄道よりも高速バスの方が便利なため、利用者も多い。

 

 そんな土地柄であるが、パチンコ好きには「花の慶次」といった方がピンとくるかもしれない。こちらはこちらで大人気だ。実は僕も、花の慶次で戦国時代の上杉家を学んだ。ただし、パチンコではなくマンガでだ。

 

 それから、グルメな方には「米沢牛」が有名かもしれない。「神戸ビーフ」「松坂牛」と並び、「日本三大和牛」の一つとして数えられる事が多い。しかし、地元に住む人特有の話しだが、実家にいた時には米沢牛を食べた事はない。就職のために家を出てからだ。日常的に食べられる肉ではなく、なにか特別な時にしか口にする事はないので、帰省した時がそのチャンスと言える。

 

 だが、そんな食べ慣れていない肉よりも、帰省した時には必ず食べるものがある。子供の頃からずっと食べ続けた思い出の食べ物。それは、「米沢ラーメン」だ。僕も母方の祖母から聞いた話しなのだが、昔はとても貧しくて、ラーメンは高級品という事だったそうだ。だから、年配者でもラーメン好きが多く、もちろん祖母も大好きだった。

 

 そんなラーメン愛好家の多い土地にあって、長年続いてきたお店があった。僕も子供の頃から食べていたので、ラーメンの味に関しては、僕の舌を形成するのに大きな割合を占めていたと思う。今回の帰省でも、当然一回は食べに行こうとおもっていた。ところが母親から、衝撃の事実を知らされる事となった。

 

「あの店、無くなった」

 

 最初聞いた時、自分の耳を疑った。無くなった、という事は閉店したという事か。何だか軽いパニック状態に陥った。だが、話は続く。

 

「名前が変わって、同じ場所にラーメン屋が出てるのよ」

 

 これは気になる。この機会を逃すと、また暫く行く事ができない。その話しを聞いた当日、早速行ってみる事にした。中に入ると、テーブルや椅子は見覚えのあるままだったが、若干レイアウトが変わり、水もセルフサービスになっていた。従業員も見覚えのない若い人が対応していた。また、以前はそばや丼ものもある大衆食堂のような感じであったが、それらのメニューは無くなり、ラーメンのバリエーションが増えていた。ラーメンのサイドメニューとして定番の餃子もこれまではなかったが、ついに加わった。

 

 メニューがすっかり変わっているところをみると、全く別のお店として生まれ変わったようだ。改めてメニューを確認すると、一番人気は米沢ラーメンセットだったので、それを注文する事にした。やはり、餃子は気になる。

 

「米沢ラーメンの餃子セットをお願いします」

「あ、すみません。今日はもう餃子が品切れしちゃったんですよ」

 

 そうなのか。いきなり出鼻を挫かれた。さすが一番人気だ。ないものは仕方がない。大人しく米沢ラーメンだけを頼む事にした。改めてお店を見渡すと、地元でチェーン展開しているお店の系列店になった事がわかった。他のお店についても簡単な説明が書かれており、総本店はつけ麺屋である事がわかった。都市圏でつけ麺の人気がある事は知っていたが、地方にも飛び火しているとは知らなかった。しかも、関東などからの出店ではなく、あくまでも地元で起業したところがすごい。

 

 テーブルに置かれたメニューを見ると、その横に、お店の詳細な説明があった。元のお店は創業80年の老舗である事から、大変な驚きと多くのお客に惜しまれながら閉店したそうだ。しかし、「味・技・伝統・そして心」を引き継いで復活を果たしたとの事である。進化した自家製面という事なので、否応にも期待は高まる。

 

 米沢ラーメンを一言で言うならば、「シンプル」につきる。醤油ベースでクセがなく、好みはあるかもしれないが、誰でも食べられる味だ。ラーメンのトッピングもネギ、なると、チャーシュー、メンマ、海苔と、どこまでもクセがない。注文してから待つ事10分ほどでラーメンがテーブルに届いた。日本人の心である挨拶をしながら合掌する。

 

「いただきます」

 

 まずはスープを飲んでみる。油もあまり入っていなくて、とてもサッパリしている。飲みやすい。東京ラーメンも醤油系だが、米沢ラーメンと比べてみると、それでも油が多い。スープを飲んだあとに残る後味が全く違う。

 

 続いて麺を食べてみる。中太のちぢれ麺のため、スープが絡んでとてもおいしい。いい感じだ。食べれば食べるほど懐かしい気分になってくる。細過ぎず太過ぎず、ちょうど良い咬み応えだ。上に乗っているネギを麺と一緒に食べてみる。ネギのシャキシャキ感と薬味としての味が良いアクセントになり、また違ったおいしさを感じさせてくれる。悪くない。

 

 名脇役のナルトとメンマを食べてみる。どこまでも間違えようのないナルトとメンマだ。だが、これがないと不思議と寂しく感じるので、やはり必要な存在だ。小ぶりの海苔は、そのまま食べずにネギと同じように麺と一緒に食べてみる。パリッとした食感が心地よい。これも合う。

 

 ああ、忘れていた。ラーメンの主役とも言えるチャーシューを食べていなかった。最後の楽しみに取っておこうと思って、最初に移動させていたんだった。おもむろにチャーシューを食べる。特別な味付けをせず、ここでもシンプルさを前面に押し出している。チャーシューでサッパリしているというのは、珍しいと思う。残りの麺を食べきり、最後はスープを飲み干す。食後は再び合掌して、あの言葉を口にする。

 

「ごちそうまさでした」

 

 初めてのお店とはいえ、やはり懐かしく感じるのは、まさに米沢ラーメンそのものだからだと思う。さて、最初の課題はクリアーしたので、次は肉だろうか。といっても、米沢牛ではなく、同じく特産品の三元豚だけど。