子供のころ、背の高いヒマワリは、僕を見下ろしているようにもみえた。
大きな顔を向けて、何も語らず、ただ風に揺れているだけなのに、小さな
僕には、恐ろしさまで感じさせた。サングラスをかけて、ダンスをしている
ヒマワリのおもちゃの方がまだ良かった。
「ヒマワリを見に行こうよ」
大人になってから、わざわざ車を飛ばして、笠岡までヒマワリを見にいく
ことになるとは思わなかった。やたら笠岡に行きたがるカーン(タイ女子/
岡山市にホームステイ)と電話したら、どうも理由は、ヒマワリ畑だった
らしい。
笠岡には、大きな干拓地があり、そこに、広大なヒマワリ畑があるらしい。
見渡す限り、一面に広がるヒマワリは、圧倒的だという。
カーンは前から、私が笠岡の話しをすると、
「いつも話しだけで、連れていってくれた試しがない」というので、
今回は、空いた日にちをみつけて、
LPと調整して、連れていくことにした。
留学生女子と二人でドライブはちょっと抵抗があったが、若手女子スタッフ
が皆、予定があり、しょうがなかった。
岡山市を10時ころに出て、笠岡に行く前に、ちょっと寄り道――トリム
(ノルウェー男子/笠岡にホームステイ)が通う金光学園高校によった。
学校側の了承を得て、ちょっと教室などを見せてもらった。私も、前年度の
留学生の絡みで行って以来、久しぶりだった。
カーンが通う学校がカトリックな反面、トリムが通う学校は、神道系で立派な
茶道施設もある。和風でまた、一つ一つの施設が大きいため、その違いが、カーン
にとっても刺激になったようである。
丁度その日は、大同窓会の日で、スタッフの稲垣さんや大槻さんもおられ、
会に少し混じり、校長先生にも挨拶していった。
だが、ちょっと、ゆっくりしすぎて、予定を大幅にオーバー・・・・(カーン
ちょっと怒る)。急いで笠岡へ。
腹が減ったカーンに、とりあえず、笠岡ラーメンを。
と言っても、考えていた店がなかなか見つからない。結局(干拓にも行かないと
いけないので)駅近くの笠岡ラーメン屋に入ってみた。
すぐ満腹になったカーンを連れて、いよいよヒマワリ畑へ。
カーンは、「本当にこの道で合っているの?」と尋ねてくる。
それも無理はない、
同じ風景の中を、走っているから・・・
笠岡の干拓地は、本当に広大で、そこにある牧場なども大きくて、私は、この場
から“北海道ってこんなところなんだろうな”と想像している。
さて、着いてみると・・・・まだ早かった・・・そんなに咲いていなかった。
それでも、本当に一面がヒマワリで、満開したときのことを想像すると、ワクワクする。
聞けば、100万本の10haというから驚きである。
でも、やっぱり、まだあまり咲いていない上に、猛暑で、カーンはちょっとガッカリ。
車に戻ろうとするが、一応、写真を撮ろうと話すと、「HP? めんどくさいなぁ」と
言いながら、ちょっとヒマワリの中にはいり、ポーズをとった。顔の表情もちょっと
変わり、“さすが女の子だな”と思いながら、シャッターをきった。
その後、トリムのホストファミリーの勝間さんのお宅へ向かった。
勝間家はお寺で、
オバケ嫌いのカーンには何だが、連れていってみた。
支部によっては、留学生同士が交流することを避ける支部もあるが、
岡山支部は、
ことに私は、それを問題視していない。
むしろ、話し合うべきだと感じている。
トリム、カーン、僕と、談笑が楽しく続いた。トリムもだんだん慣れてきているのか、
親しく接してくれた。
そして、勝間さんのご好意で、食事もご一緒させていただいた。
いろいろな話しが出き、カーンにとっても、違う留学生生活のあり方をみて、刺激になったようであった。
僕は、と言えば、大人になってからみたヒマワリは、どこか温かく、僕に優しく
接してくれているように思えた。いや、昔からそうだったのだけど、
僕がた怯えていただけで、向き合おうとしなかったからかもしれない。
彼らと接して、僕の心も、大きく癒された気がした。
さて、しばらくして・・・・・
カーンのホストファミリーに会った。すると、
「いや~行ったよ、ヒマワリ。満開だった。一面ヒマワリで・・・」と話しはじめる。
どうも、咲いた時期になってから、また連れていってもらったらしい。
・・・・・・どんだけ行きたかったんだよ! と思った。
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