令和8年5月期の第二級アマチュア無線技士(2アマ)の試験に、弱冠小5の子供が奇跡的に合格することができました。そこまでの道のりを残しておきたいと思います。(導入編はこちら)(1回目はこちら)
難しい無線工学をどう攻略するか
法規の合格点が取れるようになった小4の後半。とはいえ、科目合格制度はないので、無線工学もマスターさせなければなりません。特に、
- 小数点同士の掛け算や割り算
- 分母が異なる分数の加減乗除
- べき乗
- 平方根
- 一次方程式
- ラジアンと度数
- 対数(dB)
- 位相差の考え方(複素数/複素数平面)
は小5以上の学習範囲です。例えば、0.9×0.9=8.1とか、大人では絶対間違えないような計算ミスをやらかしてしまいます。このような状態で、無線工学の点数をどうゲットしていくか悩んだ結果、↓のように過去問を攻略していくことにしました。
- 暗記問題
- 計算問題(上ほど優先度大)
- 足し算、引き算で解ける問題(影像周波数の計算など)
- 整数の掛け算、割る数が整数の割り算(相互インダクタンスの計算など)
- 分数の足し算を含む計算問題(合成抵抗の問題など)
- 小数点を含む掛け算、割り算の問題(LC回路の周波数計算など)
とにもかくにも、テキストがないと始まりません。暗記+計算で計39冊になりました。
理屈を絵で覚える
小学生向けに、電波に関する現象を「文字で」覚えさせるのは激ムズです。ということで、基本的にすべてのテキストは絵で描いてイメージと実例で覚えさせます。
【自作テキストの抜粋(山岳回折)】

【自作テキストの抜粋(コリニアアレーアンテナ)】
語呂合わせ暗記
法規同様、文章の意味が不明な問題が出てくるので、語呂合わせ暗記作戦はここでも通じます。
例えば、SSB受信機で中間周波増幅器や高周波増幅器の特徴を問う問題で「近接周波数」「中間周波数」「影像(イメージ)周波数」といった言葉が出てきて、それらの周波数をどのように設定すればよいか問う問題が出てきます。
まともに理解するのは困難なので、法規同様、「きんてちゅ(近低中)のえいこう(影高)」=「近鉄の栄光!!!」(近鉄最高だぜぇ!!!阪急や名鉄の方サーセン)みたいな語呂合わせで覚えるようにするのです。
【自作テキストの抜粋(中間周波増幅器の説明)】
キーワード暗記
法規同様、キーワードを押さえていく分野もあります。電子部品の特徴、コレクタ接地/エミッタ接地回路の特性といった問題です。
【自作テキストの抜粋(ダイオードの種類)】
2アマでは丸暗記が多い
- 2アマでは丸暗記は少なからずあります。
- AM送信機の送信電力を計算する問題にP = Pc (1 + m2/2)という式があります。なぜこんな式なの?を理解するには、AM送信機の波形の式を理解し三角関数を使いこなす必要があります。(一陸技で出てくるレベルです)
- 対数(dB)は「電力の比を表す数字」だけ教えて、数字は丸暗記です。
- 3dB=2倍、7dB=5倍。1アマや一陸特では計算できないといけないですが、電圧比が出るわけじゃないので、2アマではこれで十分です。
- 当日は、3dBが出てきて電力を問う問題が出てきたのですが、7dB=5倍しか覚えていませんでした。3dBは、5倍より小さな電力という理屈で、正解を導いてました。
試験2か月前
ようやく工学(暗記問題)の勉強が一通り終わりました。
暗記問題を得点源にしていくため、次のステップは、計算問題の学習ではなく過去問演習です。過去5年分2ループ+2ループ目で間違えた問題の復習を繰り返します。計算問題は、過去問題を解きながらテキスト読んで学習です。
学習の進み具合を見て、計算と復習に長時間かかる計算問題は捨てさせました(LC回路の共振周波数の計算など)
この段階では、60点~80点と、合格ラインを下回っていて、親だけが焦りはじめます。
試験1か月前
- ようやく過去問5年分1ループ目が終わりました。幸いなことに、GWに突入し、GWの宿題もないので、みっちり練習です。また、マークシートが雑なので、丁寧に塗る練習も始めました。
- くもん式の計算(5年生)を使って、小数点同士の掛け算に慣れさせました。
- 科目免除がないので、法規の復習も始めます。過去問解かしたら合格点は超えていたので、工学3回やったら法規1回、というペースで、過去3年分に絞って見直しました。
- 「合格したら誕生日にSwitch2」という約束を振りかざして、モチベーションをアップさせます。
試験1週間前
- 「令和の法改正」と呼ばれる、ここ数年の法改正に絞った予想問題と説明を作り、説明しています。
- 免許記録(電子免許状)
- 再免許の申請期間
- 前回の反省(試験前日の発熱)もあるので、頑張りすぎて疲労をためないよう、遅くても9時には就寝です。
- 試験の1週間後には運動会もあり、体育の授業が増えて疲労がたまりやすく要注意です。
- 間違えた過去問の復習に注力します。
- 試験を受けるときの注意を再度教え込みます。
【自作テキストの抜粋(免許記録の説明と予想問題)】
※説明と予想問題(B問題形式)。この予想問題がA問題(正誤選択)になって出題されました!
試験前日&当日
さすがに2回目なので、軽く確認です。
- 受験票&筆記用具チェック
- 前日はとにかく寝る
- 電車の中で間違えた問題だけおさらい
- 朝ごはんをしっかり食べる
- カンニングしたり、私語は絶対ダメだよ!(学校とは違う)
- 自分の書いた答えを問題に○をつけておく
試験終了後
- 頑張ったね(ヨシヨシ)でほめてあげる
- エビフライ🍤を食べにいく(これは約束!)
- 合否までは試験のことを忘れ、楽しいことに注力
- 自己採点と公開解答の正解を見ると大丈夫そうですが、マークミスとかやらかしがあるので、結果までの間はドキドキでした。。。
合否発表後
合格発表の朝になり無事合格の通知が届きました!
(試験会場では昼ごろと連絡を受けてたので、不意打ちです。)
【得点開示請求結果(2回目)】

マークミスはなかった!
早速写真撮影して、免許証を東海総通に送りました。従事者免許が届いたら2AM申請をします。
最後に
1年越しの2アマチャレンジはようやく終了です。
世の中には、小3で2アマ国試合格、9歳で2アマeラー合格、なんて話もあるようですので、他人と比べたら珍しい話ではないのかもしれません。また、大人の人にとってはここまで勉強しなくてもよいでしょう。今回のチャレンジは、科学技術や電気電子分野への興味を持ってもらう、長期的な学習習慣を身に着ける、という材料としては良い経験でした。
テキストを作るのも一苦労でした。自分が覚えて解く力と、相手の立場に立って教える力は、全く別物です。プレイヤーとマネージャーの違いですね。多くは子供自身の努力ですが、小学生ぐらいだと、モチベーション維持、体調管理、など、親のマネジメントも大事になってきます。
分かっているつもりで分かっていないこと(正解できるけど、なぜ?の質問に答えられない)もいっぱいありました。理解が足りない部分や絵心のない部分は、生成AIに壁打ちしながらブラッシュアップです。
ちなみに、1アマは受けるかどうかはわかりません。将来やりたいこと/プロの意識もまだない年齢なので(将来理系に進むのか文系に進むのかも分からない)、ステップアップとしての1アマもイメージがなく、まずは目の前の学業や興味に寄り添っていこうかと思います。
とはいえ、受けたい!といい始めるその日に備えて、テキストは準備しておこうかと思います。(法規だけは1アマでも結構通じるんじゃないかなあ…)
駄文にお付き合いいただきありがとうございました。







