いっしょに春の大会へ
Tが旅立った日の 朝
病室に向かいました。
穏やかな顔で
Tがいました。
頑張ったね
頑張ったね、と
声をかけると
T母が
「明け方に
私を起こしたんだよ。」
と教えてくれました。
「みんなが逢いに来てくれて、
Tのベッドに
グランドの砂とか落ちてて。」
ずっと病院で
Tの生命の戦いを
見続けたT母は
Tの旅立ちの様子を
静かに教えてくれました。
春の大会に
応援に行くって
決めてたよね。
きっと応援に来てくれるよね。
Tの旅立ちを
受け入れなければ、と
部員達は色んな思いを胸に
眠れない夜を過ごしました。
そして次の日は春の大会。
エースは
Tの背番号を背につけて
春の大会初戦を迎えました。
こぶしの花はまだつぼみでした。